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詩帖拾遺  作者: 坂本梧朗
1980年代

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その42 出勤―電車のなかで   草について

   出勤―電車のなかで


二人掛けの座席の

半分が空いたので

腰をおろすと

舌打ちをした

広げた新聞紙を

さらに広げるようにして

自分の領域を主張する

私も負けるかと

相手を押しやるように

座席の背に肩を沈める

また舌打ちをする

ちらりとこちらを見る

私も舌打ちを返す

ケンカになるかなと思う


生活の糧を得るために

自分の時間を売りに出かける

貧しい者同士の

心淋しい角突き合い




   草について


通勤の道の傍らで

柔らかにそよぐ

草たち


陽に焼かれ

雨に叩かれ

風に吹かれ

土砂を浴び

時には踏まれ


強靱にも

地上に落ちた

一粒の種子から

くり返し生育してくるものたち


地上での

束の間の

そして過酷な時を

おだやかに揺れているものたち


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