表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
詩帖拾遺  作者: 坂本梧朗
1980年代

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

50/295

その32 逆行者    妄執

    逆行者


 (飲み事があり、職場近くの同僚の家に一泊。翌朝、予定通り欠勤と決める。)


職場のある町を離れていく

電車の停車場で

渡船の発着場で

職場に向う人々と行き違う

私は逆行している


人々が求めるものを

捨て去る

人々が集中する一点から

離れ去る

流れにあらがう杭


視力が落ちれば

見えなくなる

だが確かに

逆行の中にだけある

楽しみ


路程はずっと雨

渡し場も

プラットフォームも

電車の窓も


歩み入る

商店街も

シャッターを

降ろしたままの時刻


逆行者は

傘をさし

人々のようでない自分

を楽しみながら

雨雲りの

閑寂な街を

歩く



   妄執


一夜明ければ

消えてしまうものだった

だが昨日(きのう)

確かにそのために

心は強張り

口も凝固したのだ


憩いの時に

ぱっくり

赤い口を開ける

生存の盲目性


囚われ人の

(はた)迷惑な

滑稽な

そして悲惨な

無言劇(パントマイム)


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ