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詩帖拾遺  作者: 坂本梧朗
1980年代

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その21 くつろぎ

鞄を隣の椅子の上に置いて

彼はため息とともに腰を降ろした


わずかな余暇だった。


コーヒーを注文し

窓の外に目をやった

何もしてはならなかった

彼はくつろぎたかった


カウンターで

一人の男が世間話をしていた

男の前には灰皿があるばかりで

足を隣の椅子の上にあげ

一日そうしているように

ママともう一人の男客に

言葉を投げていた


窓の外には

午睡を誘うような

おだやかな四月の陽光ひかり


歩道には

陽ざしを胸にためこんだ

かっぷくのいい女達が

袋を下げ、乳母車を押し

ゆったりと歩いていた


彼は椅子の上で

くつろぎという状態が

理解できない自分に

悩んでいた


たしかに彼には

次の仕事が迫っていた

それは気の重いものだった


いつもこうだ……

彼は自分のくらしを眺めかえした


そうなってきた経緯をたどることはできた

しかし納得はできなかった


少しでもくつろごうと

息を吸いこんで

彼はあきらめた

起ちあがる時間がきていた


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