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詩帖拾遺  作者: 坂本梧朗
1980年代

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その20 九月の詩   蟻

   九月の詩


人形が三体

本屋の店先で

静止していた


じっと見ていると

一体の肘が

からみつく静止の網を

ふりほどくように

動いた

その隣の一体は

前後に揺れていた

その隣の一体は

依然静止したままだったが

本を読む立像の内側に

充ちている 動き が

今ははっきり

読みとれた

生きているのだった




   蟻


階段のように

正面に現われ足下に消えていく

時間の連鎖

見送ることしかできない

生きている刻々

席を暖める間もなく反覆される

受けとめ手のない疾走に

泉は涸れた


垂直に際限もなく降りてくる

時の白い壁を

這い上がる蟻

落ちたくはない

貼りついたまま陽に灼かれ

カラカラの骸になりたくもない

這い上がるほかはない、だが

壁に映る己の影さえ

訝しいのだ


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