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その19 脱走囚
すれた三十女が
寄り添うテーブル
前に座った二人の少女が
熱っぽく唱っている
少女の目を見る
尻の丸みを見る
金があれば
地位があれば
つまり落ちついて
ここで遊べれば
お前たちを手玉にとるぐらい
ああ
ふんだくって
自由と時間を
ふんだくって
ここに来たのに
やはり
少女よ
その濡れた瞳
語りかけるように
顔を傾げる唱い方
その阿呆らしくも心楽しい熱狂
それをこそ
買いにきたのに
落ちつかない
割れてしまった
君らのあそこみたいに
三十女が
吐息をつく
私の秘密を
この女は嗅いだのだ
私が馬鹿を言い
笑いを誘おうとするところで
女は所在なげに
靴の先で床を叩く
顔の表皮だけ歪ませて
私は疲れきった
少女よ
あっけらかんと席を去る
君たちも腐りきった
しめくくりはビンタ
金庫から
くすねてきた
一万円を落していた




