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詩帖拾遺  作者: 坂本梧朗
1980年代

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その14 生   幻視   営為

   生


ガラス棚に

ホコリがつもった

三日前に拭いたガラス棚に

その三日前にも拭いたガラス棚に

今日こうして拭くガラス棚に

三日後に 拭けるはずの ガラス棚に



   幻視


ある朝

窓外の景色が

ひらりとめくれた


 底から滾々と湧きあがる憩い

 そのふた抱えもある流出に

 没した

 青い世界

 肺をふくらますと

 肺胞の一つ一つに

 憩いのしずくがしむ

 うるおった胸でする

 呼吸のここちよさ

 腕をのばす 脚をのばす

 のびきった肢体をなぜる憩いの水流

 蹴る 泳ぐ

 夜業の後の目薬のように 

 しみる

 夏の日の冷やい麦茶のように

 しみわたる

 憩い

 藻も 魚も

 およぐ人も ここでは

 いのちはいのちを生き

 いのちの豊栄をささえあっている

 からだがまわる

 まわりながら沈んでいく

 眼下の竜宮城へ


まばたきすると

窓の外は

陽光を浴びた

いつもの砂漠



  営為


日常の河流に

ふりしぼられ

こぼれ落ちる

営為の砂粒

辛いつぶよ


カラになった砂袋は

川岸に点々と骸を曝し

活きている砂袋は

河央に浮かび

産卵の海ガメのように

身をきしませて

砂粒を落す


ほたり ほたり

それは水面みなもで消える

無数の降雪


蜿蜒たる河流

蜿蜒たる



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