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その13 扉 写真
扉
扉はどうしたら開くのか
きっちり閉まって
壁と見分けがつかぬ
だが耳を敲く
回廊の外の
涼し気な風の音
俺が閉めたのか
そんなはずはない
出口を求めて
回廊を巡っている俺が
かっては開いていたのか
たしかに景色は見えていた
しかし ガラスの扉だったのだ
掌を押しあてて
眺めるばかりだった
回廊を巡りおえた勢いで
体当りでもするか
写真
笑顔
ではない
暗い袋のなかが
このように曝されるとは
熱湯につけられた
一切れの刺身のように
白く煮えたこころ
口を半ば開けているのは
髪をそよがせている外気を
呼吸しかねて
あえいでいるのだ




