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詩帖拾遺  作者: 坂本梧朗
1970年代
3/291

その3 恋の悲しみ


恋の悲しみは

赤軍兵士の恋


その兵士は

同志である女兵に恋した


素直で 献身的で

聡明で 優しい

素晴らしい女

恋は深くなるばかりだった


女兵は彼に優しかった

女兵は誰からも人気があった

女兵は誰にも優しかった

兵士の恋は熾烈に燃えた


彼女には恋人がいると

兵士は聞いた

その男の顔も名も

兵士は知っていた

話さえ交わした

彼も同じ隊の

赤軍兵士


女兵は

彼にも 兵士にも

同じ様に優しかった


兵士は信じた

彼女は俺だけを愛していると


兵士は女兵を深く恋した


前線 銃弾の飛び交う塹壕戦

一人の兵士が 銃弾に仆れた


女兵が駆け寄り 号泣した

兵士はそれを見た 彼だった


撤退が始まっていた 女兵は動かない

兵士は

女兵が 彼だけを 愛していた 事を

知った


だが 兵士は

女兵を 愛していた


敵が迫り 着弾は正確になった


俺は ここで 死ぬだろう


兵士は 女兵を逃がそうと

側に近づき 敵弾に仆れた


恋の悲しみは

赤軍兵士の恋


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