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詩帖拾遺  作者: 坂本梧朗
1980年代

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28/295

その10 垢抜き   黔首   若かりし頃

   垢ぬき


首ねっこつかまれ

冷たさにちぢみあがり

つぶつぶがぶつぶつのように膚を覆い

ヤットコで抓まれ

ぷちんと皮膚がやぶれ

肉が鮮紅色に露出し

その肉を揉まれ

硫酸の水がしみこみ

世界が遠くなり


白濁のなかをさすらい


涙と体液が滴り


渇き きる


 アカヌケシタナ

 ウン、ヨクナッタ



   黔首


ここは底

ここはヤスリ

夢がすり減り

白髪が増えるところ

人が平凡になるところ

太古より寸分も変らぬところ


地べたの

穴の一つから

動く首だけもたげて

夢の高みを望めば


高みとは僥倖であった

 あるいは

うそ であった


こころの内側まで

まっ黒にして

はたらき続け つづけて

黒さも黒光りするに至って


積みあがり

そそり立つ

黔首の屍の大黒柱

に嵩を加える

栄光



   若かりし頃


もの思いに

心を奪われ

風呂での洗髪さえ

覚えていないしまつ


懸命に蹴るが

回転輪がまわるだけ


宙を翔んで

白い足裏 ひらひら

どんな曲芸でもござれ

夢と現実(うつつ)の等価交換でも何でも


地面にひらく目

ひらく口

 落ちてこい

 いや落ちてくるサ

 もうすぐ

 もうじき


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