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その5 年の瀬 レモンティー テレビ
年の瀬
頭をかかえて 寝床にたおれる
暗い隧道
朝になる それでも
一日が過ぎた わけだ
日々よ おれを
あの明るい島まで運んでいけ
しののめの潮路を
ひと漕ぎ ふた漕ぎ
枕に頭をつけるたびに
レモンティー
わたしをぜいたくだと言うな
アルミ罐入りの
湿って固くなった粉末レモンティーを
スプーンでこそぎ、くだき
それがもうニケ月も
私の部屋の飲みものなのだ
ひとりぽっちの
楽しいたのしい
飲みものなのだ
テレビ
テレビが唸る
咆える
ここに文化がある と
見つめるブラウン管を
突き抜けても
あるのは機械
スイッチを押すと
プチンと静かになった




