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詩帖拾遺  作者: 坂本梧朗
1970年代
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その2 黄昏・春・山中のレストラン   春の陽ざし

   黄昏・春・山中のレストラン


日が沈みゆく頃

レストランのレジに

一人居る僕は

世界から切り離されて

寄る辺なく水に浮く

孤独な蟻の様だった


それで

世界の明るい広やかな空気を吸おうと

戸を開けて外に出れば

黄昏の果敢(はか)なげな光に

滲んでいる石垣と樹々

その前を薄桃色に

桜の花が散っているのだ


僕は伸びをしながら

あなたの事を心に浮かべる

すると心は少し微笑む


遠くにいる人

どうなるのだろう

僕とあなたは




   春の陽ざし


春の陽ざしは柔らかく

厳しい冬を越した樹々を包む。


賑やかな鳥々の囀りが

梢から耳元へ降りてくる。


雪に覆われていた青草は

ふりまかれる光の乳液に

今屈託なく身を伸ばす。


透明なぬくもりの中で

徐に動き始める生命

生命に注ぐ

春の陽ざしの柔らかさよ。


つるつるてんの桜の小枝が

陽ざしを照り返して

眩しく光っている。


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