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その18 もの言わぬ
散歩に出れば
気になるものばかり
路上にあるものはもちろん
交叉する道の彼方にまで
足を止めてしばし見入る
現れる人
家の中から聞こえてくる声にも
顔を振り向け耳を立て
興味津津の視線を注ぐ
居間に寛げば
カティアは私の顔がなめたくて
背中に前足をかけ
横のなれと要求する
ツムジは飽きもせず
ボールを投げてくれと
せがむ
ワラシは
落着かぬことがあるのか
ガリガリと壁板に爪を立てる
いつも
泡立っている
内面
なのに
表す術なく
何と静かな存在だろう
君たちは




