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その17 お役御免
ゴロリと横になった
俺の顔を
お前は毎晩
なめにくる
決まって
テレビの
見たい画面の時に
近すぎてぼやけた
お前の顔が
俺の視界を覆う
丸い頭の上
垂れた耳の横から
俺は画面を見ようとする
それはきっとお前には
押しのけようとする動き
と感じられる
俺は諦めて
目を閉じ
ゆっくり三十数える
潔く百まで延ばす
目を開けると
輪郭のぼやけた黒い瞳が
懸命に陶酔している
もういいだろう、カティア
終りまではつきあえないが
お前は一応満足した
と思わなければ
俺もお役御免の
踏ん切りがつかない




