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詩帖拾遺  作者: 坂本梧朗
2000年代

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その12 文弱   鉢植え

     文弱

                                  

生活の資を得る仕事の他に

文学という仕事を抱えて

限られた時間をやりくり算段


休めない頭

ソーメンのように

神経は細くなり

といってコシはなく

針が落ちても切れそうで


文事に旋回するプロペラ頭

足は地面から浮き

腰が据わらぬ姿勢で

憂き世の憂さとご対面


情けないほどオタツイテ

気持を一気に切迫させ

パクパクと

呼吸困難の口を開ける


〈落ち着け、慌てるな〉

座右の銘を担ぎ出す段に至れば

文弱とはこのことと

いまいましく

舌打ちする




   鉢植え

                                    

文化祭の模擬店で

買った鉢植え


学校で過ごす

乾いた時間を

少しでも潤せればと

机の上で育て始めた


鉢を一回り大きなものに替え

腐葉土や肥料を加えた


職員室の中では

日照が不十分かと

出入口脇の

燦々と陽射しが注ぐ

ガラス壁の下に置いた


出入りの度に

鉢の受け皿の

水気の有無を注視した     


しゃがんで

覗き込み

語りかけ

水を注ぐ

束の間の時間

心の中の水も

微かに

揺れるようだった


幸い

半年の間

注水を忘れることはなかったが

 

枯れてしまった

理由はわからない


数少ない味方の陣地を

失ったような気がする



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