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その11 雨滴 歌に 車窓から
雨滴
二メートルの生命
軒から
コンクリートまで
一直線の降下
破滅
一つぶに映る
雲の流れ
窓のきらめき
玉砕
くり返す
等間隔で
歌に
………
何も言わなくても
手を出せば
手が重なり…… *
手を握らせてほしい
おそるおそる
それでも
口に出して
俺は言ったっけ
言葉のほかの
通路
知らなかった
そんな頃
思い出してた
*鈴木ヒロミツ唱「愛に野菊を」から
車窓から
青空を背に
ゆったりと泳ぐ
こいのぼり
あざやかな色
胸はずむ
なつかしい夢が
よみがえる
自由に
手をつないで
上へ上へ
生きていきたかった
いまでも
そこに
立てるだろうか




