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詩帖拾遺  作者: 坂本梧朗
1990年代

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102/295

その40 鳩   もっと怒りを

  鳩

              

モノレールを腹に呑みこんだ

巨大な駅ビルの真下のロータリーに

ひきちぎられた

鳩の体の一部が落ちていた


側には半壊した

バスの待ち客用の長椅子

執拗に蹴りつづけて

壊したらしく


午前0時を過ぎれば

現代的に塗り固めた外貌の

裏側に押し込められた呻きが

形を現すメトロポリス


ちぎれた羽の間から覗く

小さな足爪を見たとき  

人間の仕業だと

直感した


犬でも 猫でも 烏でも なく


鳩を引き裂き

椅子を壊しながら

己が虫ケラでしかないことを

呪い続けていた人間


違いますか

足爪の三メートルほど横を掃いている

「駅前メンテナンス」の

青い制服を着たおばさん





   もっと怒りを


こうして

怒りをぶつけて

満足?

と問い掛けた人がいる

あたかも

詩に怒りはなじまないというように


こんな時代に

怒らずにすむか


覚めて

突き止める事実に

冷めて

並べていく数字に

醒めて

重ねていく思索に

           

固まってくる

氷のように

固まってくる

怒り


選択肢ではなく

在ることが

怒りなのだ


愛しいものが

みな立ち上がって叫ぶ

怒れ! と

愛しいというなら

失いたくないなら






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