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一長多短なパーティメンバーと目指す魔王討伐  作者: 高坂あおい
転移と出会い
3/20

優しいおばさん

 あれだ! あの変な女に貰ったお札が原因か。しかも、寝る前に異世界に行きたいなんて考えたから……。まぁ、夢って可能性もあるからな。頬でもつねってみるか。


「痛い……。マジで異世界に来たの?」


 どうやら、現実らしい。ついに、異世界に来ることができたのか! でも、お金はどうしよう。運よくポケットに異世界マネーが入ってたり。ポケットを漁ると、お金らしきものが……。


「いや、ここって日本のお金を使うことが出来るのか?」


 これ以上グダグダしていても埒が明かない。とりあえず、お金のことだけでも誰かに聞いておかないと。

 ただ、この国の言語がわからないから、どうやって聞こうか。ジェスチャーで通じるか?


「最近は、晴れの日が多くていいねー」


 俺は見知らぬおばさんに声を掛けられた。


「そうで……す……ね……?」


 何でこのおばさんは日本語を喋っているんだ? まあいいや。言葉が同じなら苦労もしないし。


「すいません。少し質問したいことがあるんですけど、よろしいですか?」

「何? なんでも聞いて」


 やはり、街中を歩いているおばさんは大体優しいな。まだ、この人としか喋ったことないけど。


「この国のお金の単位って何ですか?」

「あら、あなた違う国の人?」

「ええ。かなり遠いところにある国から来たんですけど、自分の国のお金しか持ってなくて」

「そうよね。このあたりの国はお金の単位が統一されてるからね」


 いい情報を貰った。つまり、そのお金を持てばどこに行っても使えるということだ。


「それで、質問の答えなんだけど、リリーよ」


 リリーとはユリのこと。何か関係があるのだろうか。


「ありがとうございました」

「あ、ちょっと待って」


 俺がお礼を言って立ち去ろうとしたら、おばさんに呼び止められた。


「何ですか?」

「あなた、この街にきたってことは冒険者を目指してるの?」


 冒険者だと……。ついに夢が叶うのか。ああ神よ! ありがとうございます!


「はい」


 しかし、俺は喜びを顔に出さない。あくまでもクールを装う。


「それなら、このお金を持っていきなさい」

「いいんですか?」

「いいのよ。だってこの国のお金を持ってないでしょ。お金が無いと何もできないわよ」


 何ていいおばさんなんだ。


「ありがとうございます!」


 こうして、俺はこの街の冒険者ギルドへ向かった。


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