表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

2/20

1-2.

続かないかもしれません。

 無理筋だと投げ出したところでヤバすぎる未来予想図が好転する訳ではないので、無理矢理にでも冷静になったつもりで、現状を振り返って見ることにする。

 前述の通り私は現在進行形で保育園児。

 流石に保育園児の段階で「高嶺(たかね)はな」がどうのこうのと講釈を垂れる人は居ないだろうし、親御さん目線で見てもせいぜいが容姿も学力もこれから先の進歩に期待という感じだろうから、揶揄はあっても虐めは無いだろう。

 どこぞのノベルの舞台である「ごきげんよう。○○さん」なお嬢様学校なら有り得るかもしれないけど、我が家は一般家庭だから大丈夫……だと思ったけれど我が家が本当に一般家庭かどうかは要確認だな。予想通りに一般家庭だったとしても、意識高い系かもしれないし。

 困ったな。我が家の社会的位置付けが分からないと、いつ頃からヤバいルートに分岐する可能性が出てくるのか見当が付けられない。

 うん。最悪のケースとして「既にヤバいかもしれない」と仮定しておこう。


 次は現在の容姿の確認と。

 鏡……が見当たらない。

 見回したところ、家具の類いはセミダブルかダブルくらいのベッドが一台と私が寝かされていたというか今も乗ってる子供用ベッドが一台。後は壁の一面を占める作り付けのクローゼット。床はフローリングでカーペットが敷かれている。

 ベランダに出られるらしい窓を正面に見て左側に窓と並行にベッド、右側にクローゼット、背中側にドアがあるこの部屋は、どうやら両親と私の寝室であるらしい。寝室に鏡が無いという事は無いと思うから、見せない収納でクローゼットの内側にあるのだろうか。

 というか今更気が付いたけれど、このたてものについての記憶が全く無い。何か重要な事を忘れてしまっているようだ。致命的な事で無ければ良いのだけれど。

 まあ仕方ない。思い出せない事は思い出せるまで置いておくとして、今は鏡だ。

 よっこらせとベッドから降りて、クローゼットの中折れ式スライド扉四枚を窓に近い左端から順に開けてみる。

 一枚目は物置、二枚目と三枚目はハンガーに掛かった衣類と足元に引き出し式の棚、四枚目は二枚目と同じ構造だけれど衣類は無く、縦長の大きな姿見が一枚納められていた。

 という事で目出度く容姿を確認出来たのだけれど、結論としては「良く分からない」としか言えない。

 不細工ではない、と思う。むしろ保育園児として見れば十分に可愛らしい、と思う。だがしかし、将来名前負けしないとまではいかずともそれなりの容姿に育つか、と言うと分からない、と言わざるを得ない。

 だって現状は幼児体型でしかないのだ。よくよく考えて見れば、体型や顔立ちなんて生活習慣でがらりと変わってしまうはずだし、成長期が来てみない事には身長や手足の長さがどうなるかも分からない。

 両親の身長や体型を考慮……したいのだけれど、前世の記憶が戻る前の記憶からは、自分よりずっと大きい、としか分からないので当てにならない。

 ダメだ。何を考えるにしても、情報が足りなさすぎてどうにもならない。両親に会えるまで、総てを保留せざるを得ない。

 クローゼットを閉めてベッドに戻り、両親の帰りを待つ事にしよう。

 という事で、寝る前にボケを一つ。

 ダメだこりゃ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ