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第一幕 みんなで一緒です!

ある朝の事、こより達勇者一行が出発してから3ヶ月ほどの事である。

「皆さん元気にしていましたか?今日そちらに馬車が着くので、それに乗ってこちらに来てくださいねー!」

居残り組のもとにこよりの声が届く、何の事やら分からないままではあるが、城の暮らしにも飽きていた彼女たちはこれ幸いと、言われるがままに朝一番の馬車に乗り込む。

普通の馬車であればこより達のいる町までは1週間ほど尻の痛みに耐えて揺られるのであるが、こよりお手製の馬車であるからして快適かつ迅速であった。

「よりちゃん先生のスペックチートだからねー、まさか1台の馬車で全員とか無理!って思ったのも忘れるね」

「それね!この馬車…ていうか動くラウンジ快適すぎ!」

「よりちゃん先生のお手製お茶菓子もついてるし、空調設備まで付いてるし最高の旅だね」

揺られる?こと半日、国境の町にたどり着いた居残り組は久々の再会を果たす。

「みんな元気?部長達が出発してから暇で暇でしょうがなかったよ!」

口々にそうだそうだのコールが巻き起こる。

「まぁまぁ、あんた達ならそんな感じだと思ってたよ」

「皆さんに重要なお願いがあります!これからの旅にカフェの従業員として同行していただきたいのです!」

再会の挨拶が終わるとこよりが告げる。

「………?カフェ…?何処に?」

居残リーダーが怪訝な顔を作ると、こよりは馬車の荷台に頑丈そうな革鞄を取り付ける。

「ここにあります!」

そう言って革鞄の口を開くと一瞬にして暖かい木製のテーブルセットが10組並ぶ。

続けて革鞄のサイドポケットを開けるとこよりのホームよりも少し大きいキッチンセットが。

「おおー!スゴイ…けどー…私達料理とかからきしだよー?」

「マニュアル通りに機材を操作して貰えれば大丈夫です!あとは笑顔で接客だけ!」

魔力の高い者二人をキッチン担当、あとのメンバーが接客である。

「これが制服です!どうですか?!」

こよりが見せた制服はアンミラ風の可愛らしいものであった。

「カワ(・∀・)イイ!!」

「これでウェイトレスさんかー!結構楽しみかも!」

「キッチン担当もこれでいいの?よごれちゃいそうで勿体ないなー」

大丈夫!汚れないように浄化魔法をかけてあります!と、ない胸を張るこより。

メニューはと言えば…自家焙煎コーヒー、ケーキ類に軽食、ソフトドリンクはジンジャーエールに各種100%ジュース、夜のメニューとしてワインが数種類、看板メニューにハンバーガーがある。

「ハンバーガー!食べたいなー!」

「では、研修を兼ねてメニューの中から好きなものを作ってみましょう!」

こよりが皆を連れてキッチンに入る、中にはヘンテコな機材がならぶ。

「ドリンクはサーバーのラベル部分を回して矢印に合わせます、注ぎます、以上!」

おおーー!!と歓声が上がる。

「料理は、この冷蔵庫から取り出します、このコの字型のオーブンにセットします、ベルがなったら盛り付けます、以上!」

ハンバーガーの調理過程を見てみよう。

こよりいわくオーブンにバンズとパティをセット、すると程なくして炭火焼きのジューシーな肉が焼き上がる、それをバンズに置き、レタス、トマト、こよりお手製ソースを掛けてとじれば出来上がり。

「こうやってセットして、スイッチを入れたらあとは盛り付けだけです!どうですか?出来そうですか?」

「うんうん、この程度ならすぐ覚えられそう!」

肝心のハンバーガーの味は…万面の笑みで頬張る皆を見ればわかるだろう。

3食寝床つき、昼と夜の2部制で給金は日当金貨3枚、同じく飲食店の平均賃金が日当金貨1枚であるから破格の条件である。

「皆さん、着いてきてくれますか?」

当たり前だーーーー!!!

一斉に沸き起こる歓声に、満足顔のこよりであった。

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