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第一幕 よく動き、よく学び、良く食べるのです!

「モスマン退治成功だねー!正直この眼鏡無かったら無理だったけど…」

「うん…見た目でね…あれは無理…」

「先生からマフラーの贈り物…ハァハァ…」

こよりの言うとおり用意のできていた風呂の脱衣所での会話である、若干別世界に旅立ちそうな者が居るが、慣れている二人は気にしない。

こよりお手製の肩がけ鞄を下ろしてミスズがふと気がつく。

「こより先生から渡されたこの輪っか…何なのかな?」

「そう言えばそうですね、先生はお守りみたいな物っておっしゃってましたけど」

うーん…?と、頭をひねる二人にヨウコが言う。

「まぁまぁ、食事のときにでも聞けばいいじゃん?今はお風呂に入ってさっぱりしようよ」

「ヨウコさん減点です!疑問に思った事はまず自分で考える事が大事ですよ!」

「うぇ?!よりちゃん居たの?」

入り口を見る三人娘であったが、こよりの姿はない。

「いえ、そのリングを通して声を送ってます」

その言葉に首を傾げる三人、通信機能ならマフラーについている、このリングの用途がそれだけとは考えにくい。

「ヒントです、私は、危険だと感じたら前に投げて下さい、と言いましたよ?」

「…?まさか…爆弾じゃない…よね?」

恐る恐るといった感じでヨウコが答える。

「いえいえ、そんな無差別攻撃用アイテムは渡しません!」

更に首を傾ける三人。

「ヒントその2です、リングの下に手の平をかざして下さい」

言われるままに差し出したスバルの掌にコップに入った木苺のサイダーが現れた。

「もう、わかりましたね?そうです、そのリングと私の持つリングを一時的に繋げています」

「え!そんな事もできるの?!」

最早何でもありのこよりに驚きが隠せない三人娘。

「みんなの鞄や私のポシェットにかけた空間魔法の応用です、空間を広げたり縮小したりするのとそんなに大きな違いはないですよ」

こよりはこともなげに言うが、この世界の賢者が100人集まって100年かけても実現しないであろう奇跡の領域の大魔法である。

「なるほど、先生がお守りといった意味が見えました」

一人だけ納得顔のスバルにミスズが問う。

「スバルちゃん、どういう事なの?」

「良いですか?このリングと先生のリングが繋がる、つまり先生は別の場所から、このリングを通して物理的にでも魔法的にでも敵に対して攻撃出来る、転じて私達に治癒魔法をかけることも出来るのですね?」

「そのとおりです!実践してみますね、リングをシャワーのコックにむけてみてください!」

ターン!聞き慣れた発砲音に一瞬の間もなくシャワーから湯が流れる。

「こんな感じで、防衛などに使えるんですよ」

あ、今の弾丸はゴムスタン弾なので心配無いです!と言ったこよりに三人が揃って思うのである。

…なんで見えないところのあんな小さな物を狙撃出来るんだろう?と。

まぁ、よりちゃん、先生、こより先生、だし!で納得する三人娘。

「さぁ、お風呂に入ってください、そろそろ食事の支度もいい感じですよー」

三人娘は考えるだけ無駄なことよりもこよりの料理に背中を押されて浴室へ向かうのだった。

「今日の夕飯はお鍋ですよー!きのこと葉野菜のぼたん鍋でーす!」

「おおー!イノシシって食べたこと無いけど見るからに美味しそう!いただきまーす!」

「へぇ〜、ぼたん鍋ってイノシシのお肉なんだ〜」

「合わせ味噌と生姜の香り…美味しいです先生」

料理にかける手間を惜しむこよりでは無い、味噌は赤味噌、白味噌、醤油も薄口濃い口を作っていた。

「〆におうどんもありますから、ドンドン食べてくださいねー!」

将来を嘱望された天才幼女は、料理に関しても非凡なのであった。

作者 嗚呼…窓に…!窓に…!スバルの悪鬼羅刹の如き顔が…! 神よ!この愚かな作者に一言でいいからカッコいい台詞の啓示を与え給う…!

不甲斐ない話ですが、タイトルのカッコいい台詞が未だに言わせてあげられていません、ごめんなさいm(_ _;)m

現在、時間がない方でも手軽に読んで頂けるように本文を1500〜2000文字の間で掲載させて頂いて居りますが、もう少しながくしろや!や、こんなもんだろ、この作者の限界は…などなど、ご意見頂ければ幸いです。

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