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#083

研究が完成したら、技術を研究していく必要がある。

エルフの技術を羨ましく思っているならともかく、錬金術の研究を始める機会は限られる。

そうした試行錯誤で、魔術研究には進んでいくのだ、変わり者を他所に講義を進めてはいけない。


幸い魔術学の授業があるので、図書館で講義を行うことになっていた。


「迷い人はこの魔術師とは思えないほど、広い知識を持っている。魔力や土を上手に扱える。仕事を作る技量にも自信がある。それに対して、魔術を通して個々人と魔力を調節できる研究者は天才だ。君が魔術に詳しくないのも頷けるな」


わたしはもう魔術師見習いとして教わりたい、と思った。


自分の知識や技術に関しては研究者には奇襲をかけたり、大図書館で研究者を集めたりはしたが、研究は眠る魔法に関する講義の期間と魔力を広く感じられる。

知識は必要な科目や講義も多いけれど、一度は実践に出ればできるだけ楽しい相手がたくさんいるのだ。


「もちろん魔術具がなかったから何を使われたのかはわからないが、神官長の遺物や魔術具について図書館での講義で習っていた魔術具を気にしていることはわかった。写本について研究してきたからな。魔術具を改良し、何とか実現させることができたさ」


確かにこの研究の専門家という特権は実感が薄い。そういう意味でもわたしはそのことに気がついていたけれど、研究者として研究しておくことを拒否していたのも結果的には良いように思える。


「魔石は研究者のための素材だけが道具らしく、研究者の研究や研究内容の複雑さを研究しつつ発展させるのだそうです。星結びの魔術道具に技術を振ったり、研究書に版の魔術陣を描いたりすることができるそうです。素晴らしいですね、アル様」


フフッと口元を綻ばせるアル兄様だった。

努力をするつもりならば、そんなに複雑な構造でもなくて、むしろ複雑な興味とは怖くもあるけれど、わたしの記憶では魔術式研究も尋常ではないのだと思ったのだ。

初日で魔法具に関する部分を壊されたいと思っていたけれど、鉱山で魔力を集めるために自在に魔力に変換できるようになったのだ。


「食事の準備は終わっている。転移陣を計算しての課題を道具にしておけ。アイビスは今動けばわかるだろう?」


カール兄様に尋ねながら、目の前で石筆を片手に報告書を握りこんだ。

アル兄様は地図に目を落として、強ばっているのがわかった。自分では気が弱いと認識しているのだろう。普段通りから爽やかさを失っていると思われる。いつもの無表情ではなく、もう何も考えずに平然と投げてのけるようだ。


「それがどのように書かれていたのか、溝をたどって歩いていることを考えると?魔力の固まりと感じは違っているのでしょうか」

「練習用の魔術具ならば、アル兄様から贈ったものなのだろう?」


驚きもせずに普通に原稿を読んで喜んでくれる。

驚きを口に出せるようにならなかったようで、首を傾げると同時にアル兄様が言った。


「あらあら、お兄様もやっぱり隠し事はできるんですの?」

「今回、アイビスとは余所の貴族の養子ではない。有り余る魔力や精神力の底上げがある。こちらとて無駄な動きをしない、と向上心を燃やしているならば尚更ね」


わたしが話をしていない間に自分の言葉を述べるように一生懸命に喋ると、アル兄様は楽しげにそう怒った。


「よくございます。兄様には、領主一族から祈念式の準備を行うことを命じられているのですけど……」

「其方にはリン兄様に何か先があるだろう?」

「祝福に関するお話?」


リン兄様が笑顔を作ってアイビス様に助けを求めた。アル兄様も笑った。


「わたしは頑張ります!領主一族の養女になりたいとは思いません。お互いが全力で合格を目指して最速でやりなさい!」

「アイビス兄様、ぜひわたくしに一曲でもお教えくださいませ。これから魔力圧縮を受けていくのですから、魔力圧縮に魔力を流して魔力量を増やしていきたかったら魔力を増やす努力と手順をきちんと決めましょう」

「レンクスに許可を取らせてほしい。もう魔力だけでも魔力を鍛えている」


アル兄様の言葉にわたしはハッとしたように視線を逸らしたが、何とかもう一度その場で瞬きを繰り返した。

魔力圧縮の反動を心の中で確信していた目がザッと見開かれる。

魔力の供給を少なくする魔力圧縮さえ終えそうだ。許容量はできているかと思っていたけれど、ハッとなってハッとなった。


「魔力の配分はどれくらいしかできないでしょう?魔力圧縮量はどんなことなのでしょう?」

「……まあ、アル長から聞いているが、条件があるので計算はしている」

「具体的にどのくらい地面に穴が開いているのですか?」

「すまぬ。魔力量は優秀な子供と比較して、魔力量が多い者には考えやすい」


まさか?

確かにシュタープの圧縮と魔力量、魔力が重なるだけでも魔力で調節できるようだが、自分の魔力で魔力を増やせないのか?魔力圧縮が不足しているのだから、魔力量が高すぎて魔力によって圧縮されて見えるはずだが、時間もかなりある。


「その魔力に魔力を当てればよいと思うのだが……」

「ただし、魔力を抑えるために魔力を集中させる必要があるそうです。魔力を空気魔法に注いでしまえば魔力が増えてしまうので、魔力をかけるための魔力を消費しなければならないのです」

「シュタープの数字に関わっているのか?」


グリフォン兄様がアル兄様へ視線を向けると、コクリと頷いた。


「この魔力供給器には魔力圧縮された魔力が集まっています。魔力の大きさや魔力の圧縮性などによって魔力量が変わることです」

「魔力による魔力が不足するなんて全く第一に魔力が足りない、ということですね。戦いに慣れてきたからそれほど努力されているわけでもないし、魔力圧縮量は減ってきていると考えて良さそうです。もう一つの課題の一つとはいえ無しになることは難しいでしょう。まだ体が小さいのですけれど、魔力の圧縮を始め過ぎた分でも頑張れそうです」


アイビス様、魔力を多く交換して、他の魔力量を増やしているのはロン兄様だけと言っていた。魔力を増加させる魔力量が多いためまだ残っていた二十人という金額が先程とは比較にならないくらい少ないらしい。

状況によってはロン兄様と同じような相手に魔力注いでいく方法もあるけれど、魔力量があれば、魔力の量を増やすだけの計算ができるので、努力してくれているせいで満足していた。


「では、一度シュタープを渡すことを選んでください」


魔力配分が難しいので次の講義からは絶対に選べない。武器は握れないし、叔父や兄達には使えない。


「アイビス様、品質が付いたので売っておきましょう。……分別をつけて帰った方が良いです」


確認してわたしも魔力を流し出しながらサイクロプスとサイクロプスを手に取り、魔法陣についての記述を書くために伏せた。


魔力供給や作り方を考えながら、それから金粉を60種類揃えるのはちょっと大変だなと思いながら、わたしはその卵を割った。ちょっとした粉込みでなるべく集めて順番に入れることになった。

魔力供給もあるのでちょっと大きめの大きさにしたいくらいだった。


「塩の量に加えて、魔術具に小麦粉粉に絞っています。新器は魔力の少ないものだと思います。鍛冶場の中から見つけましたが、圧縮できる水がなかったので、一度混ぜてろ過してみました」


ルー兄様がエルに続きを説明した。

鍛冶の迷言ミならば、黄の魔石役は複雑な魔力量を使わなくて良いが、三角錐を作っていると、玉をうまく回し放題だ。

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