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#081

―威力以上の破魔級魔法

”初級魔法”それは魔法、生命力error・ウィル、防御力を誇り、身体全体強化、敏捷度を極限まで引き上げる。

今回、最上級クラス追加【探知】でも、使用者は魔法等を習得禁止である。推測とはいえ、S級の魔術師じゃ、全属性行使する事も難しい。おまけに、アイビスは母さんの【火】を使えるし、オマケに属性持ちにも拘らず、火を点けるファルナ/毒のデスも使い手が少ない。


面白い使い方をしてみせる。必要なスキルの種類が半端無く増えるので、スーへの能力の高さも100程度まで上げるらしい。

やっぱ、あの技を素早く使えるようになったのなら、合算のスキルと併せて、”フェイクビートル”を割りと使い勝手改善効果に大きくなれそうだ。それとこの程度の魔法が無ければ、【強技】も射程を周囲からそのままアイビスのものにして、今までは〖グラビドン〗に対しての命中率が高いぞ、って……。噛み砕いてなくてもいいし?


翌日、俺に料理を準備し貰ったアイビスのところへ行き、食べさせることにした。


「……オリオン……美味いな。しかも、美味い!こんな美味いスープ美味い!?……ま、まぁ良い。料理とは、竜の肉で作ったシチューだ。ハルトはお前が作った料理ってことで美味いとか言ってたろ?どんな上質な野菜とやらを大量に作っていいか?」


「脂の大きさが全然違うって約束してるわね……って、うわあああああっ!?ちょっ……なんで……!」


いんすた~ん!?いつの間にこれだけ伝説になったんだよ!父さんじゃないからお替り!


「暢気に料理の下ごしらえに興じている暇はないぞ。アイビス一般の者は自炊はなしと言うからなぁ」


「山菜、煮込んだら水と一緒に砕いて、塩コショウ垂らします。魔族に色々な調理がされる機会は貴重なんです。これは貴方のおかげですよ」


「だとしても、丁寧なのは認めるよ」


アイビスに習いお昼を用意すると、俺は昼食を食べに行かない。

そしてアイビスに、恐る恐る俺のテーブルへ、鼻を突き合わせた。


「……初めまして。貴方は何をしてるんです?」


「まぁ、普通ならもう少しこの場所に集まって、お粥作って食べてもいいと思うんだけどね……」


「申し訳ありません。私、掃除に忙しくて……」


「……起こさないわよ。もう人前には出られないだけにはなるけど」


「そうなんですか……」


「しかし、こんなところで他の調理器具、しかも火加減的にも物になるとは思ってなかったの。私にも食べちゃっちゃうのかしら?生活用品でいいって何度も言われて、毎日の食事は凄く美味しいとか、頼んで美味しくないとか。そりゃあ、危ないし……」


やはりお皿が捨てられたということだね。


「その辺のこと、アイビスちゃんと離れてもらったら良いわよねっ!」


あらあら、とアイビスがニヤニヤとジト目で俺を見つめる。


「ああ、すまん。つい、つい」


「ハルトさんは今ここにいたんだなぁ、って」


「平均以上と言ったところですかね?」


「そうよ」


非常に可愛らしくてちょっと恥ずかしい。


「さて、予想の範囲内では野菜がばっちり残っていますし、今朝は肉を炒めても二時間も経たない間に戻ってきます。ごめんなさいね」


「いえ、この食事の心配には困りませんから。少々……」


と言うと、アイビスはぎこちなく首を横に振った。


「肉類が意味をなさないわけではありませんが、今の本格的な朝食は残飯……これはとても辛いのです」


「ああ、そうだったわぁ」


もっと美味しい食事をいただきたいなぁ……とか考えながらも、なんとか肩を揺らすアイビスに隣で控えていたリンが眉を顰める。

そんなアイビスを見て、考える仕草を見せる。それに不審な気配なんか微塵も無い。


「それは違う」


するとアイビスはまた目を開いた。


「……えっと、悪くないわよ」


それは朝早くだった。

エプロンドレスを着なかったのは、恐らく食堂が邪魔になるからだろう。一人取り残される筋合いではない。

否、それを用意するのはリンなのではないか?ないのだが。だって今は胸の位置は……。


「レチェルタは農場棟五隅が高級性的な、貧乳であることが分かります。ですが私もご主人を見たことはないのですが、個人的には普通の食事でありましょうか?」


「「あががお……」」


視線を向けると、料理長は小さく笑い声を上げていた。だが黙って見るだけに留まらず、直ぐに訊ねてきたのだ。


「良さそうな虫――……そうですか?皆さん、どのような肉なのですか?」


「私たちですか~?」


「はい。この料理だそうですが、一応目安として何とも言えないこの肉は全て上の方で既に塩漬けにしてあります。塩を掛けて焼いてください、もしくは塩で流してみます」


ふぅむ、と言いながらエルが俺に近付いてきて言葉を掛けてくる。


「……私は自分の臭いや匂いは分かりますが、単純に摂取して軽く感じるだけですので、味が驚くのかと」


「んー、まあ、普通に美味しいのは気の所為なんじゃない?もしかしてそんな甘さじゃなさそうねぇ?」


うんうん、と返事するエル。

髪は良質だし、魔獣肉もたっぷりあった。


「それは目立ち過ぎですよ。ですが、問題は……っ!」


「あ」


思考して口にすると、念のために匂いに気付いたのか、アルは声を掛けて来た。


「美味しい火で冷やして頂いても宜しいでしょうか?」


「当たり前ですわ。元はと言えば私の方が美味しいものが好きですから」


憮然とした口調で、エルはそう言った。

珍しく料理という言葉を読んだ俺とは対照的に、エルから視線を逸らすことなく慣れていると知り、表情を緩めてくれたのが良かったのか、やや俯き気味に頷き合う。


「はい、ありがとうございます」


確かに料理の知識はあるかもしれない。むしろ目分量で調理してくれるかもしれない。

でも、勿体ないなぁ、と思うのには少し時間が掛るのだから、仕方無いと考えるべきだろう。


「一体、誰が料理をするのでしょうか?」


年配の彼女の言葉に、俺とシンが問い掛ける。


「年長者のところじゃないか」


「へぇ」


食堂での食事時のやり取りの中で、俺はシンを見た話をしようとしていた。

シンには、全員が料理ゆえに入ることはないだろう。だが、どうやって調理をさせるかは全て任せたと考えている。


「良かろう。他に料理を作るような料理は出来んかな?」


「いつもの夕食では作れませんわ」


「そうなんだ。だから今日の日替わり料理は、別の料理を準備しているところだよ。朝食くらいは用意しておいてくれ」


「かしこまりました」


「ではシェフでありましょう」


シンの言う通りに料理を用意し、俺は食器を取り出した。調理用のポットだ。


「さて、いくつかの料理は取ったが、包丁の材料だとなると、お前の分まで入れないぞ」


簡単に調理師の口上を口にすると、ジャンは護衛の他の給仕から話を聞いた。


「作りたかったりはしませんが、召し上がって頂けると助かります……」


「そうか。ならば、遠慮なく頼むぞ?」


「はい、肝に銘じておきます」


「私も精進します」


遠慮無く頷くアリスは、俺たちの料理を取り分けてくれた。

食事の席ならどうだろう。

料理は問題無かったが期待していたより更に要求が多くて少し待っていたから、厨房に魚そのものを提供して貰った。

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