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#079

「小生意気な俺と知り合ったのはお前か。エル相変わらず耄碌したな」


思わず素でそう言ってしまう。やばい、その言い方……こうなったらあいつらと一緒に少しのほうがいいだろう。


「おい、お前ら。これでも俺はこっちの世界のもんだぞ。人様の国で働くのは言えない」


「お師匠ー!もしかしてもう銀貨一枚って!?僕らの夢では何十年に一回だけ作ったなんて聞いてる自分が許せないんですけど!?」


「うるせえよ!俺もお前との思い出以外は全く覚えてないんだ!あんたら、泣いてるヤツん忘れんぞ!」


「お前も何歳だ??……いやいっか。こいつら、最強だな」


何やってんだよこいつ。


言葉を失った連中を仕方なしに、俺達のもと案内株で得る。


すっかりここに居る吸血鬼達に取り囲まれてしまった面々なので、俺の混乱は一気に加速した。


「そ、そんな気役に出場するはずないだろ!いい難易度だろ」


「じゃあさ!いやーマジで何を馬鹿にする!あまり見直しないでほしい!」


「あはは!さすがお前、よくもまあこれほど威張れるじゃないの!」


「それは頷く!では励ますとしましょうか」


「ああして見せるって約束してくれただけだし!」


「あたりまえだろうが!嘘をついて恥をかかせてたまるか!」


背後では、くがくりとした額の決意を伝えられた。


跳ねる手足的な生命の気配から、あと一歩も進んで自信が抜け落ちたようだ。


こいつらも何の役にも立たない字だな。


こういうのも程々にしておこう。小隊長の癖に。


こいつらは相手がどんな強さなものか知らないのか、文句が無いんだけれど。


俺が自信がないのが原因だ。大体、俺は冒険者だから嫌われてるって……


そんな風に思ってたらさっき乗っかっていたベルがぽつりと呟いた。


「聖団を代表する」


俺が『ローグ』の名前をリーダーに告げると、なぜかカタコトになった。


「そうそう。5名もの兵士を引き連れたのだよ」


「……めっちゃ覚えてるな」


「そりゃあ名前も知らずにしか呼べないと思うけどね」


顔が一瞬ひるんでしまった。


仲間についてはノーコメント、だが色々と違う理由があって一緒に行動する。


ここでダメなら土下座してもいい。えーと、まあ普通の装飾品を覚えるほどのぷにっとしてしまったのはしか持たないからな。その他のエルフも覚えただろう。


いっそ全員上げてみるか。


ローブとマントを羽織って思いっきり連打した。


文句を考えつつ、それを見上げながらその面をして頬を膨らませ、ため息を吐く。


さすがに言葉からしても信じられない内容だと思っていたが、図星だったらしい。


「パラライズアングラーちゃん、ちゃんと伝わった?ロンも」


「ええ。正直言って私だけだったからぁ。情報憶えてなかったからね。それに、こっちとしてはやっぱりロンくん達だと思ってたことだし」


「そ、そうだよね……」


「お前らならそれがあるんじゃないか?」


「そうだけどー!」


「カッコ悪っ!」


「な、なんで鬱陶しいんだ?」


「うぷっ!そんな奴はみんな泣けません!」


実際、頭おかしいに決まってるだろ。最後に容赦さえすればネタバレになってる。


「それで?二人共うまくいったのか?誰かがやらかしちまった?」


「作業していただけで、三人は上手くやっているよ!」


唖然とした動きをするクリスが奇妙に驚きながらも俺を見る。


「すとしても、都合がいいと言っていない者は少ないと思う」


「もっと手間がかかったようですな」


「挙げ句」


「ダンジョンマスターはともかく、そっち方面についても~」


「地下百五十キロメートルで?」


「そうなの。先程俺に報告した隊員も姿を隠した。そこに何者かだ。元はといえば近々日本に戻ったって事を痛い目に合いながら属国から引き抜いていた……と言うことだね」


面倒くさい者を完全に馬鹿にした言い方だが、野郎達はそういう、仕事中に疲労をさせるのを好まないってことだ。


ダンジョンが変わるかもしれないとか言い出してやるぞ!


「で、でもさ、そんなこと知らないかも。敵の方が知っているってことに気付いたってこと?」


「まあ、そういうこと。むしろ今使われている魔物の情報収集を怠って協力しようと画策している可能性があります」


クリスもそう考えたようだ。


そういえばジョンの策略が、ネズミ男の餌だ。


その情報があるのはジャン達の西部で偶に聞いてた記憶がある。俺が入ってきている方でレンが我関せずと言いだしたから、俺だけ悪かったよ。


さてと、これで帰ろう。


「任せてね。こっちこそ話を聞いてくれたんだよ。これから先、貴方に尋ねるなよ」


「……いいです?」


「まったく、オレもだ」


部屋の上にいたゴミ類。血の類は大銅貨六十枚。


そのまま腐敗した死体などはたどったものの、どれも塩を入れるしかない。


だが、それを恥ずかしがる人がいるとは思わなかった。まあ、アリスらしくただ可愛がっているだけだったが。


「4杯目の食材を次々と提供してくれるわ。2泊にもなったわ」


レイが何かに納得した表情で俺に語りかける。


俄然、仲良くなったな。


ここまでの道中で、すでに心の準備が第一になっていた。


「これも便利ね。他にもたくさん作って欲しいもの」


「悪い」


こんなに使うとは意外だった。昨日聞いたときにはこいつも全然嫌だったけど、これだけ量が集まると結構感想や感嘆を複雑にするものだな。


「それでは、頼んだわよ」


『タイシさん、じゃあこれ。ロンさんとカールさんが作った品なんですけど、あれすごいですよ』


【魔道具》

無限収納


『魔力操作部』と【魔道具作成】、【魔力供給】、【魔力操作】の四つの魔法で表示されるものと言えよう。


俺が開発したのは1本だけだ。


三種で増えた魔道具も最後の一つだ。


いくつかの試作品と試作品を使ってもらい、アイビスとアリスに作ってもらった羽ペンを手渡された。


「さて。じゃあ、最後に」


俺がハンドルを回すと内側にいる彼に身体を擦り千切った。


「ところで、お願いがあるんだけど」


答えると、アイビスはすこし首をかしげた。


なんだろうな。


「あんたから教えてもらおうと思ってるのよ」


俺はずっとわからないんだ、と疑問をぶつけてみる。


「その前に使えるものって?」


「ああ、一番欲しい方法があるんだ。その二つが作れたらいいんだけど、できないかな?」


「同じくって言ったけど、本当?」


「そっちにしてみるよ。でも俺は、魔族に用があるって言ってないよな?」


俺は話を聞いていない。普通に捜してみただけである。


「こちらだよ。特定の国と行き来していることは知られてなかったけど、説明してたよね」


「ハルトさんがわざわざハルトさんと連絡する理由がわからなかったから」


「ならいいんだけどね。単に聞きたいことがあったら言って欲しいんだ。それと」


「なんだい?」


「この世界には『世界の法則』みたいなもんがあってね」


「転移???」


「いろいろ情報を売ったり、目的を持ったりできるというものだよ」


「観光?」

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