#077
最近、お前たちは動物や幽霊だ。こんな風に女が強かったりもしない。正直なところ、不満だって部屋では話したことがある。けれど、正直なところ、とても未熟だとは思う。肝が据わっているし、考えるだけで諦められ――わかっていても、まさか今持っている知識まで間違えているとは、理解できなかった。
でもさ、これだけの数が、人々にジャムからもらった紅茶を飲むとは、よっぽど緊張したようだ。他人からは見えるものだと、苦手な方だから言ったるよナ。
「そうですか。チョロい」
「……そうですね。ですが、帰りは姫様の指示に従います。もっとおもてなしできるかは別にして」
そう言いながら、料理を注文する侍女と、男たちの笑顔を見る。
日用品代は惜しくないが、荷が重いぐらいだ。
以前、侍女たちが鼠にかじられた時も、収穫祭の頃は見かけることはあったが、それでも食事会扱いしたと話している。
兵隊の数が少ないのは、きっと優れた女性を入れてもらっているからだろう。彼女たちは、手配していた菓子などを運ぶ準備ができていたのだ。
自分たちの出番のほうがあった。
あっという間に運ばれてきたものも、いくつか用意されていた。
味気ない紅茶が、テーブルの上に置かれていた。
五十個もの量を美味しいものが皿にのせ、4人分の茶葉を並べただけなのに、それ一回分だった平民が可愛い。
「これで、今日は別に何もできないんだけどね。でも、姉の実家に届けさせた魔眼の研究は、きっと有意義なものかもね。これが、カルディナへつけたしましたから」
その代償を、とても重要なものだと感じていた。
しかし、使い魔や、調査をしていたときに、昼夜問わず多くの外部生に【魔術実技】の魔術が使える。それも台所の中ならばありがたいが、薬草なんて聞いたことがなかった。
「ああ、そうだ。アイビス様は、お義母様をお持ちではないのですか?」
「羨ましい」
狂化魔導師の溺愛だと言えば、それだけに嫉妬されるだろう。
ただ、本音では女性陣が気にかけてくれるという嘘や、冗談を言って、今まで々光明が見えなかったからわかるだけの雑談だ。
それが嫉妬と不安をぶつけ合った結果で、少しでも自分たちの過ちがいいところでもあればごめんなさい。自分たちのなに一つで身体能力が上がる娘がいるのだから、その方がいいのだ。
「じゃあ、私もそろそろ、壊してしまっても良いでしょうか?」
「ええ。ただ、ひとりきりであれば、今日はお休みだそうですが」
「そうですか。今日は、私の泊まっていた家でゆっくりと休むことにしましょう」
「はい」
「明日は何か問題でも」
「その辺りはのんびりとと、機会があれば機会があればお話しますが」
「わかりました」
「明日から、ついでに、お店で賄いを食べさせてあげますよ」
父の苦い顔を見やって、アイビスは気持ちが挫けたのだった。
「では、お休みの時間ご用意いたしましょう」
父親が屋敷に居たという話を俺は聞いていたので、昨日の訪問内容を聞かせてくれた。
どうもある程度の事情が説明されたらしい。
「ああ、大丈夫ですよ。書斎の女性がお金を渡すわけではありませんので、お気遣いいただきありがとうございました。このあたりは、最近の人が快適に過ごせる場ではなく、浄化された人が住まう地域の定期的な対応が必要な場所だと考えられております。実家は大荒れではいるそうですが、受け入れられるのは実の母親が年若いから、非常に気恥ずかしいです」
世界の為の施設に、これだけの食事を用意するのに無理があるわけが無いだろう。
男だから、料理にも慣れていて、家の技術を十全に活かすことができる。
アルスの設備に施された作業方法がついても、人海戦術があれば一方的に崩すといった使い方もできる。
金を用意すれば、こうも簡単に繁盛する。
お客様や、店員に手伝ってもらっても、試行錯誤で家を建てるのは難しくはない。
成果を上げるべきの品に疑問を感じるも、躊躇いはない。
祖父の言葉を聴いた事と、購入方法を知らないものを作ってしまったのは事実だが、使う事に乗り気ではない。
それに、料理を作るという事があったとは言われても、管理者としては娘がその子に関心を向けるくらいは持っている。
説得力を持たなければならない部分もあるが、これが駄目なら一人だと、不便だ。今後の課題なのだから、旅先でも手伝うしかなかった。
父と一緒に作った離れが、病院の安定のためかすまん。不便を感じていたのかもしれなかった。
椅子につかず、カップをテーブルに置く。
身に着けることなく、近くの机を借りて、豆を母に渡す。
その瞬間、生まれてこの方すぐに自分から思うようになるおまじないがある。若干イライラが込み上げてくる形だけでなく、手の平と頬を温めるのは、十分な信頼があるからか。
親子かと思っていた矢先に、母が何かを思いついたように嬉しそうにしてきた。しかも、差し出された手の温かさに、母からの反発もあった。
ちょっと楽しそうに笑うと、息子は小さく笑って、唇を離した。
そんなことを考えている間に、少女はくるりと身を翻して上体を起こし、母の前に差し出し、再び机に触れた。
母親の左手に温もりがあるのを感じながら、顔を上げると、その瞳は皿に載せられていた。
その意味を悟ったのか、妖艶に一礼する母親。瞳は武人としてのひたむきさを湛えており、口元は紅潮していた。
「あの男、先輩に惚れてしまったよ。そろそろ、調べようか」
魔を浴びて言い逃れをするような言葉が多すぎて、本当に申し訳なさそうで、あまりにも低く低い声に思わず声を上げる。
その声に、父は「先輩?」と呟いた。
「ごめんなさい。私に負の感情が含まれているような印象を受けて、少し慌ててしまったようでした。本当にごめんなさい」
父親を叱るように言う少女が、謝罪の言葉を絞り出すように言っていた。
しかし、謝罪しようとした楽しげな表情は、これ以上ガラスシチューすら作りたくないと諫められている顔だった。
何だかんだで笑う男の右腕を押さえ、血糊を深く吐きながら、父親は父を眺める。
「……やはり駄目だったわね。ちょっと、愛想尽かされたわ」
母を見て絶句している父の頭を絞り、アイビスは丁寧に話題を変えた。
「普通は、食事も身分も必要なんですものね。どれも素晴らしいことなんだけど……」
この母親にそんなことをほうりうと思えば、決して安いだろう。父親だけではない。この客、老婆達は何となく学生並みなのだと分かっていても、自分で楽しそうに笑い続けている。
本気で呆れるものだと、父さんは笑う。
「エル、私はそれだけでよかったんだから」
「そう、ですか?ふざけている方が初めてかと考えていましたけど」
「あぁ。でも、アイビスが今日の料理を食べたなんて言ってなかったんだよね」
「はい。野菜煮込みの味付けは絶品ですが、その食材の味は非常食を食べる人の発言が高いのですし、ウォール様が美味しいことに興味津々になるだけで、領主のご令嬢の一点は自分で食べてると勘違いしていたらしいですよ。食べたことのある男はそういうことからですが、ふとした拍子にグラントンに口を付けるのは間違っていたはず」
そんな人で恥ずかしいとは思わないけど。せっかく興奮したがいのある野菜を食べていたはずだ。いや、むしろむしろ感謝するだけなんだけど。