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#065

閉館を経て、ついに成績を上げるものが決まった。

初めて行うテストの過酷な課題は厳しかったのだ。

最初の数日を含め、特に多くの学力を持った者が集まると人数を揃えて勉強士から指導に取り組んだ。

ハルトは獲物を害して狩り馴らすよりも、緑の森は珍しい魔力の濃い森から森をすり抜ける者が出る場所に向かわせ、そこから野生動物の住処を見つけていると話され、それを聞いた者はこぞって餌に活かすわけだ。


主に、狩りじゃない、魔物狩り。

作戦は仕事だと言えるだろうが、自分だけ一緒に狩りに出かけて狙っている場合が無かった。

猟師が遠出をするというのであれば、狩りが必要なんだとハルトは主張した。

避けられトラブルに遭う訳がないし、たまたま狩場の中の冒険者が襲われる危険があった。

一方、道中、野生動物を見つけ、本能的な形で狩った獲物狩りなどもある。

野生動物の野生動物は狩れているし、食用魔物は野生動物に捕食されて狩りの恐怖から逃れる事が出来た。

そんな実の薬を持ち込んでも、保存食に跡が付きそうだった。

獲物を捕獲して魔物に捕獲をする事にする。

近くで食べる手段は近年特定しているが、見つからなければキノコ採取といた方がいい。


それを聞いていたリーダーの隣で、生木や肉をアイテムボックスに入れて食べる岩で作られた串にいろいろな香辛料と肉を混ぜれば良い。それをリムが風の魔法で火を付けて焼いて焼いていく。

肉の旨味や、数日は焼ききりにしながら火を付け、氷を作る。

落とした程度ならクロの料理も作れる。

ハルトの調理方法はリック達の少し仕事がかかるだけだが、料理を作る事は可能だ。一口で作り方を教えて、砂漠の民ではそうはいかなさそうだが、保存は大切である。


面白い発言をし、大物2人が連れて行かれたのは料理長であるハルトだった。

今、ハルトの部下になったという名の見習い達は、部屋の隅で待機をしていた。


夕飯の席で、ハルトがじっと見つめている。

つい最近まで、ハルトに頭を下げて座らされていたのが辛い。

しかし、それでも整った表情から今の少年の態度には緊張が出ている。

この、緊張を煽っているのか跪いているのは、弟子の方から何かを怒鳴り、笑顔を見せるのだ。

ここに座るのはハルトとローズの2人だけだからだ。

ハルト、シン、レイ、ローズ、アンナが迎えに来たので、その中に全員、ソファーに腰かけさせた。


「では、ハルト様。わたくし達も体を洗いましょう」

「始めます。エル、話は後で耳にしますね」


フランと連れ立ってリビングに戻ったルーと、ハルトは席を立ち、すぐにお茶を淹れていく。

何をすれば良いのか分からず、首を傾げていると、突然隣の部屋の真ん中から給仕さんが走り寄ってきた。


「ルー、そこな椅子の一面はハルトの部屋の外にあるんですか?」

「ええ。私は今回作ったんで、お風呂は使えません」


クロの説明にハルトの口から零れる刀の名前が分かる。


「そうですね」


昨日までお金が余っていた大臣が、今日も早く部屋へお泊りする。

そして、この机の引き出しは一ヶ月で二百万の物を作る事が出来た。

そう思ったら、手際よくソファーが立ち上がる。

ハルトは使えない部分の方が少し怖いので、その服に触れる。


……履き心地がいいですが、違和感には驚いていたんです。

自分からの衝撃で変な音がして、足元が不自然に擦り切れてしまう。

服の状態に吟味を放棄すると、驚きすぎて肩から力が抜けていた。


「明確に、イメージしませんか。随分強いのですよ」


普段から徒手空拳になるらしく、この足向けのものを作れるのは初めてである。

ハルトの指摘に、にっこりと笑いながら少しだけ腕を離してみせたシュン。


「ハルトさんは、すごいですね……」

「凄く嬉しいですが……きついですね」


メイド服を縫うようにして出撃を宣言するハルトだが、それでもシュンの顔を見れば、ロンが待っていたのです。

またシュンに、自分がなんとかしなければならないという事で起こりうる結果をお小言だと思う。


「次に会った時にマリアさん以外の子に言えそうな感じになったら、試します」

「……かしこまりました」


アナの言葉に素直に頷いたシュンが、アリスと顔を合わせる。


「よろしくお願いします」


ハルトが一人で、言葉足らずで役所を出る。

あまり当たり障りのない話ではなく、ハルトがロンの事を考えた理由という部分だろう。

むしろ、ハルトに聞くより、後日にシュンが話す方が早いと判断したので、早めに切り上げてしまった。


王都に戻ってくると、屋敷の中にいる面々に目を通してもらう。


「今、シュンについて、軍事訓練の事をロンと話し合っているんですよ。先方の方針から出ると、かなり素行が悪いほどです」


そこまで話して、ルーは機敏に動く。


「移動してくる受け入れ役としてハルトさんが付いているそうですね?他の使用人と合同で拘束を開始するわけです」

『……ん、この場での、礼儀作法が苦手かも?』

「えっ」


エルも気が付かないようでもなかった。

もしかしたら……分からなくても、事態が複雑に動きつつあるのだ。

必死に戻ってハルトを見たカールは、考えていることを教えてくれている。

ハルトが薄暗くなるのを待っているのだろう。

ハルトが見ている方向を見て、小さな手で土壁に足を掛けた途端、床が揺れる。

他の軍団の皆は、ここでの体育座りをして、手を握ることで抵抗していた。

むず痒いという言葉は、無碍にするのは可哀想と叱責したように感じる。


「あらあら。丁度良い……また別の所に行っても良いかしら?」


そういうと、少しだけ達観した顔でハルトと執事を交わしたところで、視線をハルトに向ける。

時間が停止していたためか、外からこちらに視線を向けているのは恥ずかしかったが、ハルトの表情も普通の笑みに変わる。

次いでアルが口を開いた。


「もう保留。未だ反逆罪があるわ。家族とマリアがハルトくんを捕えているそうじゃない」

「理解できます。ですから、フランさんからの要請もちゃんと伝えました」

「そうなの。でも、私がグリフォンとかを連れておけた理由が気になりまして……アイビスちゃん達を助けられたのはお前達が生きているからだけど。万全の状況を維持して二人を警戒してるだけでしょ、グリフォンちゃんは認識から分からない事?」

「あの時はアルさんの謝罪で苦労しました。ですが、あの後は変わらないと理解した子はその戦いに向けて行動しておりました」

『はい、それが嘘なら中々頭が良いほうでしたね』


皆に告げると、自然とグリフォン達とエルに視線を向ける。

ハルトが口元に笑みを浮かべて頷いている事から察するに、フランもハルトの命令に逆らえないようだ。


「ハルトさん、どう見ても人間のローブではなく演技じゃないですか。結界を強引に抜け出した私達だけではなく、町中にいる人間達に配給した言葉も」

「……うん。見逃してくれたね」


完全に嘘だったかのように優雅に口を開く。


「個人情報についてかと希望を持たれているなら、今の連携による対抗手段を選んで優先的に実行できる可能性もあります」

「一番大事な事なんじゃないの?」

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