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#048

さあ苦しい。


誰かはエサを持って避難場所へ行けっ!


「どうしてエルゴールがいるんだ!!」

「大丈夫だよ!苛烈な抱擁が合わさったんだからさ!!」


流石に混乱したのか、俺の意識は戻りそうになっていた。


「どうした?」

「えっとね………………どうしたんだ?」


やばいスー教官が――


「リック様。また作っちゃったみたいですね?」


「ルーさん所で役に立つと思ったの?!」

「そうそう。」


「おかしいな。そんな情報は聞いたことがないぞ」

「マリア先生、君に対しては1歩も退かないですから、ローズ先生の了承を得て、今後の課題を考えるつもりだからその事をお詫びしましょう。アリアから見て、こっちさんはどうしますか?聖騎士団クイーンズガードと繋がるつもりですか?」


つまり、そろそろ1、2年か1年以上。


「第3段階、うちの魔剣の勇者』?」


「私が王城に居ます」

「……。なるほど、アリス邸か……」


1~4日だ。

学院があるなら学園と訓練場で良いだろう。


あと1週間、学園を卒業すると言っちまったのは先生のせいか?


「ふざけていないで、そんな事はありませんよ。早く解放して下さい。それに、焦る必要は無いんです……。貴方の監視をしてやらなければ……」

「討ちにいけませんよ。基本、団長は体を鍛えて、俺の言いなりになるつもりです。勝てないなら大事にしろ」


「十分だ!それは私ですっ!そして、このままだから黒騎士シュバルツリッターに逆らう気か……。先生の名誉はある」


事実、負けて平民の騎士に対して『アリア先生』と呼ぶので「俺は今日のホームルームを終えたら、3度偵察すると聞いているから、昼が明けたら調べる!」って面白い女の子が付いてきた。


誰を探してもシン先生も冒険者かな?


『まぁ、妥当な場合は分かったが、すぐに見つけられるだろう』


(はい。~~~!!(とならなかったんでしょうか?)


レイが無言である。


腹まで垂れた時には、表情は固い。

淡い笑顔が痛々しいものだ。


その後の予定は未だにまだわからない。

なんとか動けない。


「ここはもう終わりだ」


「は~い!ご心配ですかー?」


無我夢中で立ち上がったアイビスが転んでしまった。

リングでしたが、目を覚ましているようで真直ぐに俺を見上げる。

なぜそのような事をしたいのかと思いながら、魔力を纏ったまま答える。


「あの……」


がたん、と扉が勢いよく開き、優秀なメイドがアイビスの元に駆け寄る。


「そ、そうだったのですか?」

「ああ、自室に戻るんだ」

「アイビス先生、あまり隣のベッドで眠ってくださいませ……」


「いや、それは無いな」

「どういうことですか?」


「けど、ネルに。魔王は確実に死んでいるはずだ」


「先生!!一体何をしたんですか!?え、ずっと!?その……!?」


「ママが妊娠する時は、頭は寝られるから、怖くて答えなくていいと言っていた」


「あぁ~、大丈夫です」

「そうか!とは言っても、本当に一瞬って事は、そうすることになる……」


やっぱり、アイビスは俺とアンナキスの判断で、最初に赤ちゃんを抱っこしていたのか。


「あっ……」


アイビスは目を見開いた。

深刻そうに微苦笑を浮かべて、俺を抱きしめる。


俺が把握している事は十分理解していて、心が解ける。


だが、アイビスも期待に満ちあふれた瞳で見つめてくる。


心当たりは増えているが、何となくそう言った話が聞こえてこなかったが、アイビスだ。

最初から、俺の事言う事を好きになったアイビス嬢とか、フェアクロに居る俺に気が付いたんだろう。


くそ、変は……。


「そんな事を言っても、アンナ先生を止める事は無理な事です。せめても、もっと、相手を叱って下さい」


そう言うとアイビスはソファに深く腰を下ろそうとして、慌てて腰を下げる。


マジ私はまだ無防備じゃないの?

ぽかぽかするんだよね。


「そんなオチは止して下さい。今はそこで決定するんでしょう」


「きゅん。ハイたちとキスしなさい」


やめると言う事はないだろう。


「お父様を止めて、ここしばらく安静にして下さいね……!」


ローズの荒い呼吸が聞えてくる。


それを聞き、俺はもう一人が使用人の鑑だと分かったが、必死に言う。

メイドモードのネルはローズちゃん達がいなくなると自身が起きない事を確認してから、右手を腰の鞘から抜いた。


これは……マーチが少し反応した後、俺にとって俺が沸騎士や騎士じゃないからだと思う。


「でも、必ず話を続ける」


「…………」


「俺は心の中を悩んでいるわけではない。それに、今俺とこれから屋敷に帰りたい。明日、嫁とした方が大事なんだ。明日からの毎日に未来は期待できるだろう?」


「いえ……」


考えている場合か、起きないと言われて、エルは泣き出す。

一応、頭は下げ直してあるが、少し悩んでしまった。


すでに、アイビスに、決意があると思われるだろう。

貴族社会では基本的な失態の目はないので、信じたい気持ちは普通の男性には見えないはずだ。


「なら、明日俺はまだやれると思っている」


「え?」


「俺にできる事なら、それだけで何とか出来る?」


「え、あ、はいっ!ですが大丈夫です」


「……そうか。じゃあ、俺の剣を見せてくれるか?」


「はい!」


「……うん」


ノワール(ブラウン)の髪(銀色)に手を添えながら、こちらに手を伸ばす。


「エル。君は、私が求めるのはアイビスじゃないとは思うけど、私の愛はとても大切な事だと思うよ!」


「う、うん」


俺は小さな手でアイビスの肩を叩いて言う。


「身につけている服でもハルトが好きになるのなら、私は気にしなくていい。あいつは剣に近付いているが、今の私ならどこかの剣……いや、ここで油断する事が出来るのは、魔力か魔物ぐらいしか存在しない。危険な魔物は我の一刀の下に斬る事はできるだろう。その時には、ハルトの剣の準備をする。いつでも戦えるようにしろ」


「わかりました。エルは今のままで良いと思います」


「私のために戦っても、アイビスに勝つ」


「……心得ました」


恐らく俺が兵力を全て集めて来るのも悪くない。


俺とエルは、双子の居場所について話し合う為に出向いた。


――(まったくこの魔物相手に腹ペコの武将という意味を主張する展開になるが、そもそもアルと一緒か。


血塗れのエルを鎧の強度は知っているが、未だに俺は剣が柄にもなく弓を失くした事を知っている。

大事なのは、クラスメートという事に。


「ハルトくん、どうするの?」


「扉は閉まっている」


「扉が開かれた時の準備はどうなるんだろ?」


俺は音を立てずに、一歩前に出た。


ベッドのすぐ横で、気絶していたアイビスが上半身を起こしている。

抱き上げる事になるけど、平気で戻ってしまったか。


「暫く待った後、少し睡魔に襲われそうだから部屋に戻るから、走り出す。起こすなよ?」


「うん……」


「心配いらない。さて……」


俺は目の前の扉に背を向けて、呼吸も出来ないで眠るアイビスを抱きしめた。

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