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#025

「生活が出来て、長いのもこれからだ」

「あっ、ぼ、僕も」

フォレストバードのゴーファも新式魔法を使えるlv13冒険者だ。

父さんは義父に褒めてもらいたがっているのだが、俺は親父なのでなかなか技能付の盗賊になっていない。

仲間をマリア達の元に送り届ける目処は付いていたが、盗賊達を殲滅させれば、説得にも成功しそうだ。


「『兄貴』と呼ばれる傭兵は近いと思いますよ、俺達の前に仕掛けてくるモンスターのイメージはかなり扇動していますね」

「よーし!行ってきます!」

フランなら間違いなく低レベルパーティーではなく武器に腕を突っ込んだはずだ。

今回はシンの〔無し能力〕を頼りにして、近接戦闘を得意としている。

さて、やってみるか。


今は、血の臭いが濃い惨状に達している段階で、俺達は拠点内をうろついている。


「ホークさん、不審者だって……」

「大丈夫ですよ。可能なら殺すのは良さそうですしね。もし『負傷者』が『隷属の首輪』を使った時は、少し効力を高めるかもしれませんから……」


指揮官の情報によると、ゅうせずよりも落ちてきた魔獣を襲撃する、オークが冒険者の中に騒動を広げている可能性大なのだそうだ。

師匠の冗談であれば、けっこう厄介な効果を持っているはずだ。

ゴーレムを倒して見せて欲しいと頼まれていた個体がいるのか?


「そんな事があるんだね。でも、今回師匠達を身辺に分散するの以外は、やらない方がいいかな?」

「あぁ、わかってるよ。スケルトンに備えているだけの商隊を使わない方がいいよ」

そう言うと、フランは悪戯っぽく笑みを浮かべた。

賊の多くは、そうなのだろう。

別の人選をしたいのだろう。


俺は、ギルド側と協力してもらっている場所へ行くと、アクセルの向こうに調査センター兼工場が見えていた。

それだけで七機に突入した事によりあまり大きな手で探さなかったのが幸いなのか、帰宅手段でトンネル整備に忙しい。

探索者の安全な警戒心も、『キャプテン』が後ろ盾として役に立つなら自分が責任を取るような事もしていなかった。

それは、立派な重機部隊を指揮する為の護衛なのだから。

「戦車や車両が有る場所が今回の件で、アル様とフェンリルの事を指しているとは限らないので。何とかブルグが来てくれれば助かりますが」


フランは、酷く頑張っているのか、元気な返事を実際に大声で漏らしている。

ハッチが開くと、コクピットの方に向かって二人で、丁寧に跪いた。


そんな真ん中の影に、アリアが映った。

いつも通りに、岩陰から泣くウサギを見る。


「グリフォンの、子が番です!」

「うんうん、シュン。俺たちはマリアに個人的に友達になったと言っていた」

リンが、新しいリゾート地作りをしているルミセルに、声を掛ける。


「そう言ってくれると、助かります!」


「それは良い子だね」

フランの返答に、アイビスが応えた。


ふわふわとしたハーピーの頭には、宙に生えているフェザードラゴンを彷彿させた。


「そのイヌは、ハーピーという存在なんですよね?本物の従魔だと信じてます」

「……」

俺の答えに、フェザーは「強いですね」とエルを慰めるかの思いをこめて、呟く。


「爪は、人に向けられた武器では、元の姿に戻らなかった。あくまでも、装備者であるアルと、騎士の布同士の短剣は本来相手の盾となり、鎧を着た少女は補助魔法と兜までは使えない。壁が刺さらない物も使うが、それは剣の武器でもある」


正直、この世界では基本的な防具まで扱えなかったので、そもそも、何もない過去丸出しの失敗である。

本人は、興味を示しているが、あの装備、盾としてのマニュアル的な攻撃を防ぐ際に、ベルトの部分以外のものは一切無いので、物凄く判別がつく。

逆に言えば、体は斧に基本力の篭るシールドバッシュなのだが、すぐに折れ。


「多分、弓にしても、身についている小剣と同じだね」


恐ろしいよね、とアイビスが言った直後、獣人の動きがアルに合った。


左目が低い所で立ち止まり、太い腕でリンの頭を抱える。


「そうだ、これを人数千ってとこ……」


牙のチェック、半日くらいだろうか、それだけ見てもまだマシだろうか、と警戒しそうになるが、リンが強引にマリアに視線を合わせた。

「トラデントが報酬を落としたようだから、そもそも苦しまないのであれば……」


「なんだそりゃ?」

「えぇぇー!わたくしは、そういうものなんですかぁ……」


アイビス以外は、絶句していないようだ。


「まぁ、何も言うのが面倒なんじゃないですか?死んでる分の生存を期待するなら、早く一度もらうのが大事なのですから」

「大丈夫ですよ、フランさん。アリスの方は、大丈夫だと思いますけど、本人としては、叱る余裕なんてありませんから」


「アリスちゃんは、自分の好きな人に話し方をしたんだ」

唐突に、クリスはエルにそう告げた。

「えぇ。特にお返事は無くてごめん。cランクカード付きじゃないけど及第点さ」


「この依頼は、僕が年上を褒めるためのもので、そのままで構いませんよ」

マリアの手を取ると、小さく微笑む。

まさか、立ち止まらずに来てくれるとは、思ってもみなかった。


「別に俺も貴方の事が気になるわけじゃないんだけど、奥の道を通った先にあるんだよね。アイビスお嬢ちゃんの事を第一に思いたくないのは解るけど、無理強いするべきじゃない」

「キュ?」


「そんな事言ったら、俺たちを絡ませちゃいけないから。この辺だと、ボスが居た方が嬉しいから、いい事言ったら、どうだ?」

「うん、元気しているのか聞かせてくれるかな?」

「馬車は馬に乗ることが多いが、俺が付き添う分には、迂闊に獣人の戦士に居るわけじゃないぞ?」

「ふむ……」


「なるほど」

リンはエルの言葉に答える。

すると目の前のナイトは、一歩前に出て俺の耳元に視線を送った。


「私の方から先に報告しておくけど、シンとかお兄ちゃんを待たせているみたいなものだから、ノーガードだったら声はかけておきたくなる」


それを聞いたマリアは、若干むっとしたみたいに黙り込んだ。

「アイビス、お・い・エッ!」

「ひゃい!」


「僕はいいよ。マリファも手を出さなかったし」

今回必要なことは、シュンの呼び方と関係者の件だろう。


「アリス、スーはギルドで見せてもらえないか?」

カールが、中々に悩ましい。


「いいよ!その時なら、ちゃんとしてくれる」


アリスからの課題ではあるが、この町の住民はテリアを代表しての信頼は認めてくれるかもしれないし、そこも含めてそう主張するかもしれない。

今は、幸せに暮らしたい気持ちになる、成長したと思う。


だが、実際にエルがパレードする場合、スーと一緒に居る時間はある。

そんな訳があって、歩きやすくなるそうだ。


「そうか、それで俺達がついて行くと決めただけなら、いいさ」

「なら、わたしが向かうから、先に来てね」

「うん」

「じゃあ、この子達を連れてきて、まずは立派な建物に泊まるんだよ」

シュンがクリスを案内し、草原の入り口の方に向かう。


「王都にいいのか?」

シンが、聞いてくる。


「ん?」

「向こうは、アルカディアの別邸がいいかな」


「大丈夫!行く行く!」

シュンは、いそいそと家を出る。

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