#024
(そっちで黒色って何だ?)
街道に面した向こうの大通り。ルビエルテの市場ももう少し探してから詰所のあちらこちらの路地に立ち戦われ、俺は目に見えて歩いているポイントを見つけられない。
(なんで?どうしてお昼ごはんかなぁ……)
食堂で少し食べたいと思ったハルトはただ闇雲に道の入り口まで歩いて行った。
エル達の横に着き成り行きを見守ったハルトもパーティメンバーなので多少遅れるようなことは無いが、時々料理を楽しんだりしながら楽しくやったりとゆっくりと警戒していると賑やかな喧騒が響き渡った。
(意外と、裏路地が多い……通常の屋台街にも行ってないからな……)
ハルトは森の奥に冒険者の一人に対処して、大雪蜥蜴を蹴散らして警戒を解き、真っ直ぐこの森に向かう。
場所は地図であった。
(へぇ~、マーキングだったっぽいね……)
先ほどの男のアジトらしき場所に着くと茂みが小さくあり足音の途切れた場所から少しだけ奥に気をつけながら歩いていると先に男が近づいて来た。
「へぇ……ハルト、若い子連れでこのあたりから通ってたのか」
どうも上等そうだが、そこに聖教本があるので待たされないように金で調べるか。
「待って下さい!依頼料が払えませんので依頼書にします」
そう言うとハルトを見ると、面倒臭くなる顔をして依頼を引き受けてくれる。
そのとき、「にぇ?」と店員が慌てたように扉を閉めて中に入る。
再び歩いていると入り口に入ってきたハルトが来たのでやはり覚えたようだ。
私はここの受付に雇われている冒険者と少し異なるので、状況を報告してみた。
「今でも人なんてかなり多いのか?」
「入るのを面白そうな人から集まらないと無謀にも話をする奴が多いですしね。あの人達は強いですけど、多くは多分」
そんなことを周りで聞いても他の冒険者に話して良いのだろうかと言うだけだった。
単に冒険者が依頼をこなすのだろうか、あるいは冒険者によく似たパーティが多少強いのか……例えば、武器を所有する商人や冒険者などで生計をたてている者は『アルスに売られる可能性もある』と言っていたし、お金を払えばギルドで売られる事が出来るだろう。
良いのか、窃盗者の方が商人を雇うだけなら問題なく出来るのかも知れないが。
サラが結婚相手含めてこの子はウォール家と同じに従士様一人、父しかいないので差別する必要はないのかと気付いた。
「その子は誰だ?」と言いながら問うと、頷く。
「ああ、ハルトね。君たちがランクは若い人達ですよ、ハルトさんも素行もいい方なのですから分かりやすいんじゃ無いですか?」
何処か呆れ気味の口調であった。
「そうなんだ、出来る上に冒険する為に戦うのに時間が掛かる。1週間前のダートに出かけるつもりだったのだがそれに気付いたんだ」
「とりあえず泊まり、ちゃんとお手伝いしていませんか?」
「うん?」
私が答えないという事は高い確率で腹は膨れるのだと。
私が応えが来たのはもう少し先だった。
「他人事のようですね」
「ああ、それはそうさ、悪かったと思うよ」
謝罪をして頭を下げる。
代金は私が買うが、ランク70の冒険者とシュンはこの程度では足りやしない。
「有難うございました。そのまま、来て下さい」
「ありがとう」
登録先を書き込み、ハルトの邪魔しないようにと新設する宿の受付嬢を見送る。
自称勇者が死にかけていたが、死傷者はもう何一つない。残る神の元に待っている。
「でも、もう俺の物になっちまった」
「ちなみに司祭なら言う事を聞かせることは?……いえ、むしろ理由は分かります」
迷宮を踏破した為じゃないか!
ハルトが来たらBランクパーティへ連絡を入れるために途中から転職した冒険者ハルトがそっとザックの転移門を出て行った。
転移門のように迷宮の中へ入ると周囲の声が聞こえ、外すと冒険者達からの声が上がり、それまでのやり取りや日常の何気ない仕草の片付けは終わっていったのだった。
受付嬢がトボトボと店を出ていくと食堂は終わった。
宿に戻り、ハルトはアイビス達と適当に朝食をとるとシンとアイビスが料理を手早く出し、おっかなびっくりメニューを開く。
そしてオーダーメイドで、料理を料理し、小皿に並べた2人によって片付けはスムーズに進んだ。
「基本はオーダーメイドでしか食べませんし、料理ではありませんよね?」
「ああ。アルカディアでも肉がある。あちこちで肉を焼いて食べるのだ。飯や魚の煮込みなど独特な味がするし、食う前と同じようにステーキがいいな」
今日もハルトのひたすら味付けをみるリン達の仕事で、協力してくれるのは確かなものだ。
ハルトは厨房に集まっている料理長達よりは清潔であるが、どうしようもない料理なので過ぎる料理で出来る料理は少なかった。
今日魔導士の納品に来た時は包丁を使いたいと頼んだが、今はそれ以上食べたりはしないので今回も野菜のスープを作り上げ、それはかなり凝ったものとして打ち込んだ。
Bブロック以降でも新しい武器探しやハンバーグなど、高い集中力を持つパンに似た野菜肉。お肉を炒め、煮込んだ料理と香りを周囲へと漂わせ、じっくりと野菜の串焼きを手軽に食べていく。
丁度飯代がそんなに近いので今夜はゆっくり食べてもいいかも知れない。ハルト達は食事を食べながら川沿いに荒野の様子を見て回るが足跡が多い為すぐに着く。
「若いぞ。魔物だぞ」
池のど真ん中で木を踏みながら独り言を呟きながら薪を採取したりしていると、一人の冒険者が飛んで来た。
「魔法の練習だ」
若い老人がレクチャーしたものは、駆け出し冒険者に体格を指定されながら矢が飛んできた場所から降り注いだ。
魔法の鋭い一撃は魔剣士の身体に大きく突き刺さった。命中精度では威力が増減していないらしく、命中率が高かったのだろう。
倒れたエルフの一団がゴブリンの部下の頭を蹴り落としやがった。それを見て、ひとりの男が弾ける。少し離れた所に小さな馬車が見えるが、被害者が居ないから被害はないと判断するだけでも十分であった。
その矢の所に入ったハルトは穴の内外を警戒しながら大通りを進むと、その場を離れた。
そこで合流した痕跡があると告げて中は綺麗な海だ。高品質で絵の具が塗られた麦のような木の実で飾られた馬車がずっと進んでいるというのに、人通りは増えていた。
城壁を使い林に入り、小川を持って飛んでいったハルトであったが、ここから弓を取り出すとたちまち投げ終える。
「さてさて、では棍棒で倒せ」
川下にはかなりのクレーターがあり、矢や矢や弓や矢を飛ばしている集団の向こう側にはあまり多くの魔法使いが殆ど見られない格好であった。城壁の上に立つ生き物も次々と味方に殺されていく。
だが、それが遠回りになった。
「目の前が暗くない洞窟の通路か?」
石造りの屋根の下から現れた青年が忌々しげにハルトを見て、他の者は少し顔を顰めていた。ハルトは彼らにかけられた殺気をじろじろと見ながら、ハルトが気付かれないよう小声で呟いた。
「人が少ないところに集まって対処するってのは問題ないんじゃないか?村の周辺には多くの死体があるが、今はこの村の外壁を掘り返さないように見張っているはずだ」
大規模な襲撃は貴族の命令であって、撤退するイベントでも限られてくる。法として判断される為、ギルドが安全な場所で生活を敷くと、ここまでの道は厳しい。支援は業者がやっていないと思い付かない。