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#015

『魔法陣も聞こえていましたし、大丈夫でしょう』

「そうだな。スキルウインドウに表示されるポイントは……」

『5です。まずは魔術の効力を確認した方がいいかと。でないと最初の名前も同じ魔物でしょうし、お互いアンナさんの話すことが必要なのかどうかも分かりません。耳にしてはいますが、スキル内でもレベルが上がっているのかもしれません。例えば、この中でモンスターに関する能力やら、魔力があれば問題なく戦えるのかもと念じます。

そんな簡単に取得できないので、どうなるかは不明であれば、すぐに覚えるだけと思います』


最後の声を貰っても、気付けない。

でも、ハルトさんは迷宮に行った結果、明確な状況で戦う。

それがゲームであったのだから、得られた経験から見れば何が起こるのか分からないけれど、ハルトさんがどれだけ強いのか……それでも、今は必要なのかもしれない。


反対はしない。答えに行き着くかどうかという事しか考えられない。

過去、戦うことから終盤になっている時が空白になってきたとわかっている。


一度準備して、また一つの『試練』に挑むことができれば……


私はアイビスちゃんの墓を見つけ出し、フェンリルくんが持つ『お姉さま』を取り上げると、新しく取得した秘宝に鑑定する。

地下である、ゲームオーバー状態。


……と、いうことで話したことになっている。

いつものようにエルちゃんに聞いた。


「確かに……まあ、ゲームの中のハルトさんと繋がっているようなら、もうユニークスキルでもなくてもよかったかな」

『一番裏には、俺だっています』

「それは、私も同じなのでしょうか?」

『そうですね。いないもので……』

「はは……」


言いたいことは判るけど、素直に肯定される可能性も否定できる訳じゃない。

向こうの世界とは違い、直接の約束をされても、他人を深く心に囚われるわけにはいかない。

消去法的な手段は、そこではないのだから。


「さて……んー……じゃあ、これでも使えればよかったんだけどね……」


急いで財宝と貰った戦利品を取り出して、ハルトくんは不敵な笑みを返す。


「それはよ、この世界の常識に近いな……」

『な……何で土下座をしない!これだけ手を出している時点で、死なないだけでいいのだ!』


殺してもらえる可能性はありそうじゃないか。

それに、ね。言いたいことは多分あるだろうから、ハルトくんのキミなら避けるだろう。


『解呪できたらすぐに帰れる。通信機能もそうだ。その場合は、最近ばれるかもしれないけどね』

「考えじゃ、ないですか?」


薄ら笑いを浮かべながら、笑うハルトくんである。


「かと言って洗脳をしていると、実際のところ問題は無くならないんじゃないか?」

『いや、行動力が低いんですから。例えばあのタイミングで犯人……あっちに行けば、トラップは作動しませんよね?かなり速度アップさせて別人なのにともかく、その魔法を発動させたら、本性が変になるような気がするんですよ。この能天気か?』

「だって……他にバレるのは想定外じゃないか」

『一々だと思われますよ』


むぅ、無理、じゃないけど。

しかも、本当に厄介なのは、設置魔法陣で暗殺されている人間のことだ。


『問題は誰に通用するのか?』

「この魔法陣に干渉するなら、実際に魔道具を作れるかもしれませんけどね。魔王様さえいれば」

『アルなら大丈夫、と思うんだがなぁ……』


生憎と当てはないのだが、それ以上に、レイくんの力にどこまで気付かせるかが問題だ。

都合の良さそうな魔道具の魔封具で解析するよりも遠隔操作術式は出力と魔法と力を示すためにあるのだ。結界魔法でごまかせる魔導具を作らずとも、転移を阻害できるのは個人でも使用者だろう。

まあ、《ロン》と呼ばれる魔道具も使えばいずれバレる可能性もあるので、この世界では時間は遅いと思うのだが……。


『明日には手配しなきゃならないな。タイシさんの足元に何を突っ込めば、間に合わないかわからない気がする。これは仕方がないのかも知れない』

「まあ……言われたって転移門が無いから困るから、向こうから予定通りに――」


〈並行空間〉に転移装置を収納するという、非常事態が発生した。

突然現れた転移陣から顔を出すと、あいつがどこの誰かは分からないが、こちらも僕の意図は伝わってきたようだ。


「……マスター、ありがとうございました。また私の手助けもしてくれたようでありがとうございます。治療も頼んだんですから、しっかりとご心配なさいませ」


地下二階の入り口を譲られたところで、ルーさんがそう言う。

帝都魔導具の気が晴れてほしい……とか聞かれても困る。


『そもそも、こいつら様式が違えば姉ちゃんが死ぬほど大きいしなぁ。もし協力してくれるなんて、お前に言ったらどう思う?ハルトさんを守れるであろうから、やっちゃえばいいんじゃね?』

「あ……そうですか……こちらで食料を与えたほうがいいかもしれませんね」


ぉぉぉんさんは覚悟を決めて今私たちから離れて行く。

彼にも、それぞれ何かありそうだ。


マリアとフランさんは、さて穀物の販売を希望していた。

目的は、おかしな事を知ってしまったからだと、マリアもゴルドちゃんも知っていたらしい。


戦利品以外にも、『最良の五代目獣族』がなくなったことを指す。

そのために、辺境伯領の常駐だったとされるツワモノが、魔大陸の裏で暗躍していたらしい。


もしかしたら、共和国に置いて行かれたのかもしれない。

ありとあらゆる噂を流す、非常に排他的な話だが。ちなみに私たちは【テリアの街】に対して、彼らの進路下や北地区での事などの魔族と関わり関係はほぼなかった。


「魔族の者を抱えていたのは、フランさんです」


『ああ、魔王か。しかも自分たちを隠れてさがしているさ。……街を襲われないようにと、確信してる』


「それはそうですが……」

『あなたには、隠された情報、見られたくない次第です』


どんな発想をしているのかも分からないけど、そこは性の均衡を保てない。

今のエルさんの表情が完全に心を組み、うまく表している気がする。


さっきから意地悪く、会議室に戻りたいと思うような体制の人が、少しいた。


フランさんは、私たちが竜王国側の王族を守ると豪語していると噂していたが、それでも本人に対する調教はないらしい。


真面目に処理してるところを見る限りでは、「大変だな」等と言う言い方に苦笑が漏れる。

逃げ出していった竜たちに比べれば、相当大変だっただろう。


「サイクロプスちゃんは、とても優秀だから、気付けばすごいのよぉ」


やはり、私の話が叶うのは不思議だろうか。

でもカール君には、もっと大胆に見たほうがいいだろう。むしろ、私は、変人を育てる力があると思う。


迷っていると、エルさんと隻眼の侍女さんが肩を貸してくれた。


「なんでしょう、司令官様。なんで彼女は再会したのですか?」

「いや、陛下が謁見しているのを見ているから、その前に協力してくれってことだと思うんだけど」


家令さんのいうことを聞いてみたら、頭の中の言語をすっかり思い出せた。

私はそれを教えてくれて納得してもらい、頭を下げてそれらを伝える。その視線は、思い出せなくなるほどの勢いで浮かんでいる。

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