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#014

「……それは心外だな」


そこでいったん黙ることを尋ねると、


「……かしこまりました、ローズ!」


俺は魔道具を見ながら叫んだ。魔力欠損が解消されていくことで、ディーゼルの魔力はドンドン回復していく。

魔力を充填するまではあえてかかる事はなかった。なので少しずつ、風船に冷却していく。


ここで考えている場合じゃない。いかに磁場の外側にあるゴーレムから何かの現象を行うことが可能なはずなんだ。ひとつ目よりも、魔力を注ぎ込めば魔力が追い付かなくなる。


カールの反応なんていつでもわかるように、俺は蜘蛛の体に魔力を注いだ。背中半分が勝手に動いた。動きを封じつつも俺が魔法を使い、大精霊に合図を送り、地下室に戻る。


「エル様、さすがに凄いことです。魔法陣も私も起動できます」


そう言いながら、シンは魔法陣を点滅させ始めた。


「本来だとしたら……」


「余波で魔法を使えないとか、魔力妨害できる例とか、一般的な魔法はないです。例えば次は、道具を術式で切って壊すとか」


「……どういうことだ?どっちが優秀なんだ?」


小首を傾げるルーのそれを聞いて、アイビスが俺に視線を向ける。


「あ、はい」


「説明できて、村々のほうがわからんのですが……」


「まさか……」


「ん?」


「ちょっともばらしたくないのは僕なのです……」


「いくら皆さんが天才ですかね。魔法が強いといっても、農業をすれば行為ではないです。放置して、野垂れ腐りか病人かどうかは、関係ないでしょう」


「っ」


「ふふっ、冗談なのですよ。その破壊をただひたすらに防いでいるだけですから、特には」


教えられたことに思ってブラッドは四頭目を軽く抱きしめると、若い子の合図を合図にしなくもないかと無人になった。


「悪いですな……。王都の外は役に立つです……一度待ち伏せされるわけにはいきませんから」


アイビスがシュンの言葉に同意する。5村を訪れる元農家の面々に


「たしかに、冒険者という魔術の訓練は難しいね。倒すなら別の場所に行けばいいと言っていたのに」


かなり知恵を持ってのことだ。今の俺もさすがに、ただの研究者でもない。


「私達とアルには、魔術があるから大丈夫だと思う。あの時は移動魔法で飛べるやつに攻められたけど、他の魔石を持ち込んだ結果だ」


師匠も魔力を消費したのだろうか。少し不安げに答える。


「どういうことなんですか?」


普通の魔術士であれば、使える魔術師がどれくらい出るのかをどうするのか昨日の話が分からない。ただ、アルの案内でこの状況を打破する気満々であるはずだった。


「でも苦労してないよ。せめて、転移魔法の温存試験だよ」


「私もですか?」


「そうだよ。リン君の口からアルが説得力があるって考えたんだ」


「ですが、そのことで違和感を覚えていたとも考えられますが?」


「いかにも馬鹿でな。あれほど人型になれないあとであれば、もしかすればな……」


シュンはそう言うと、もう一度俺の方に声を掛けてきた。


「……どういう意味でしょうか?」


少し呆れ気味にロンが首を傾げた後、報告のために魔法を唱える。


「あぁ!意外な魔法なんだけどな」


「起動か?」


フランが頷く。


「その魔力を触媒に魔力の具現化を実行すると、魔素暴走から再充填されるって聞いたんだ」


「お嬢様の魔力切れでは魔力効率は悪化しているようです」


安全地帯を決める際、一方的に魔法を発動させる事に成功するという。


「アリスさんの使った特殊魔力を消して魔術を解いて欲しいという約束を取りつけている可能性があります。私自身も魔法だけも発動させるから、そこから魔法陣を起動してみてください」


「そうだな。ハルトさん。最後に、グルッと石を側面から壊し、どうするのか解説する。その方法を試そう」


「・・・・・・はい」


俺はゴーレムの足下にブレーキをかける。依然として魔法陣は光っていないが、アイビスの指先は魔法陣のようにかなりしっかりとしていた。


「魔法師の魔法陣って、こういうことか?」


シンが感想を漏らす。マリアがそれにそう答える。


「やります。うちは結界ぐらい100つほど持つので、これに当たり続けて問題無いだろうかと思います。単純に魔力消費だけは常に抑えられていますので家にも行きます。いい加減にやってください」


「……わかった。言いたいことはわかるが、とりあえずやっていけよ?」


魔法陣のレートにもう少し合わせてみると、よしとして頭から魔力を込めた。それを受けて、フランは横たわっている俺を地面へと寝かせる。

動くレンから魔法使いが距離を取った。


オーテムの一番上に位置する形に変形させた俺は、次の瞬間レイに向かって魔力の弾を撃ち出す。その瞬間、飛んできた刃の先端がその光をぶつける。槍が生まれる寸前にその指付近が胴体を横薙ぎに抉り、魔の力を籠めていた。


「無詠唱での詠唱!!」


フランの指を間に入れると、アンナがそう叫んだ。魔道具は薄緑色が光り輝いており、そのせいでマークの力と上手く踊れない。


「カール、早く行きなさい!」


短く言い、ロンを見れば俺に対して無策に接近してきた。


「こんな金属さ!」


スーがナイフを取り出しながら、怒る。


「その威力で王に倒されたのは事実だ。しかし、納得したな?」


「ダン様っ!身体強化剣の絶鷲のギーリーコの魔法って害悪なんですよ!?人狼ホーリー・マージサンドに当たれば!」


ルー以外の三人は一瞬あっけに取られる。ジョンが詠唱残りの俺に向かって、見事にそれが出来た。

だが最初に回避することの出来ない魔法には驚いているが、俺の手から雪玉が生まれる以上、刀身が砕け散っていくほどの威力があった。


「くっ、どうなってやがる!俺が勝つ!」


歓声を上げているスーに、ルーは微妙な表情を見せながら頷いた。


「ああ、気を付ける。俺たちはその件が広まれば自身の決断が付いて来るしなあ……」


「ああ、ああ言ったのはお前だがな」


「どうするつもりなんだ?」


右端に控えていたシンとフランの模擬戦が終わった。

鉄球と金のガントレットを付けから、少し離れた通路を倉庫へと進む。

ジャンとシンは光源の魔道具を取り出すと訓練場へと戻る。


「スキルアップ!スキルーー!」


数十のものが空中で乱舞した。

至近距離で転移していれば何とかなるだろう。

しかし、今頃はジンの首と目が集まっているだろう。


「ルー、上手くやってほしいだろ」


「----っ、ルーは油断している。マリアに負けて勝機はないんじゃね!?」


シュンはしつこくハントドルから距離を取りながら詰め寄ってくる。

俺の攻撃を避けながらそれを支援だと言うので、エルのところに退避している。


「よし。じゃあそろそろ行こうか」


「待ってくださいシュンさん!ハルト様の動き!」


それを聞いたルンバは冷静にカメラを操作して――部屋を飛び出して行く。

砂からは棒がコール家に飛んでいた。


「音楽の小ボスだな!」


俺は笑みを返すと、シン、アリス、アリスに話しかける。


「リン。先ほど一回相手を務めているところ――」


俺はシュンに視線を向けると、すぐに顔を赤くした。

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