ホラー短歌2
今回は少なめですが、パズル的なものもあります。
第十首
マンションのエレベーターの中には、防犯のために、中の様子が分かる監視カメラが付いているものもあります。そして大抵、一階のエレベーターの乗り場に、そのモニターがあります。住民はそこで、不審な者がエレベーター内にいないかを確認できるわけです。
でも、その監視カメラの性能がよすぎると、場合によっては映さなくてもよいものを映してしまうこともあるようで。
そんな時のことを詠んだ歌
モニターに
映りし若い
カップルが
扉が開けば
なぜ一人だけ
詠み人 マンションの住人(五〇代)
本人コメント「このマンションで殺人事件が起こるなんて、それも私が会った人が、その犯人だったなんて」
第十一首
高校生の時、クラスでキャンプに行った時の話。肝試しをやろうということになって、抽選で男女でペアを組んで目的地まで行って帰ってくるという、本当の目的はなんやねん(なぜか関西弁)とつっこみが入りそうな肝試しをしました。
ところが、後に分かったことですが、この肝試しはとても怖い肝試しだったのです。
そのことを詠んだ歌
肝試し
幽霊役の
女の子
一人で暗い道
怖くないのか
詠み人 合沢 時
本人コメント「男子20名、女子20名の合計40名で来てのだから、誰も幽霊役などしていなかったのですね」
第十二首
金縛りになったことがありますか? 金縛りになるのは、疲れていたり、何かの原因で心臓が圧迫されていたりした時に起こる身体的な原因と、本当に霊的な何かによって引き起こされる怖~い原因があるようです。
いずれにしても、あの押さえつけられたような圧迫感は嫌ですよね。でも、中には、そんな金縛りも慣れてしまった人もいるようで。
そんなことを詠んだ歌
金縛り
今日もきたかと
眼を開ける
じっと見つめる
男はイケメン
詠み人 昼顔に憧れる主婦
本人コメント「最近痩せてきたのよね。ダイエットもしてないのに」
第十三首
これで十三首目になります。そういえば、キリスト教の世界では13という数字は忌み嫌われていますよね。日本人が4とか9とかを縁起の悪い数字としてるのに似ています。もっとも、13は、キリストが磔にされた13日の金曜日からきているのに対し、4や9は、4は死、9は苦というように語呂合わせですから、根本的に数字のもつ意味合いが違いますけど。
数字だけを並べた、ちょっと特殊な暗号みたいな歌
51225110152
11226383753123
3555615161
61226233213385
11212261512151
詠み人 暗号好きな数学者
本人コメント「簡単な暗号ですが、4と9という数字を使わないようにしまた」
編集人注「偶然にも悪魔の数字が並んでいます」