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備忘録

名前を呼んで

作者: リア

夢を見た。

見ている間は夢だなんて思えない程、リアルな夢を。


新しい食器が、軽い食器が欲しいと言うおかんを連れて、やってきたのはホームセンター。

よく、本当によく出かけたホームセンター。

二人で並んで食器を選んだ。

目について手に取ったのが同じ、プラスチック製の木で出来ているように見える漆塗りの軽いどんぶり風の器。


「同じもの選んで、親子だねぇ」


笑うおかん。

そしていつものように、互いの興味があるものの所へ別行動。




ああ、そうだ、おかんは生きている

死んでなんかいない

葬式なんて無かった


これからは、また昔のように毎日電話して話そう

これからは、また昔のように色んな相談をしよう

これからは、また昔のように名前を呼んで貰おう


名前を

名前を


振り返り、少し遠くにいるおかんを見ると 世界が歪んだ


待って

待って


まだ、名前を、呼んで貰っていないの


待って

待って


「おかん……!!!!!」


目が覚めた





昨日は、おかんの月命日だった


「本当に、末娘に甘い上に、厳しいんだから」


名前位呼んでくれてもいいじゃない


でも


『同じもの選んで、親子だねぇ』


それが

そんな昔は当たり前だった風景が


涙が出る程嬉しくて、切ない


おかん

おかん


女手ひとつで私と姉を育ててくれたおかん

私はきっと見事なまでのマザコンなんだと思うよ


おかん

おかん


ねぇ そろそろ1年半が経つ今でも まだ

こんなに


逢いたくて 悲しくて 涙が止まらないよ



おかん。

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