更なる光
創生界に創造された城にも特殊部隊が到着し、作戦の概要を伝える。
「では、作戦を開始しても宜しいでしょうか?」
「いや、待て」
城から出ようとする特殊部隊の面々をヒサメが止める。
「何か?」
「我等が奴等の動きを封じよう」
「それは助かります。では、共に参りましょう」
「いや、我等だけで行く」
「何故です?」
「我等は妖怪。しかも我は北の大妖怪だ。お前たちが傍にいてはその力、存分に震えぬ」
「・・・成程。では、あの者たちの無力化、お願い致します」
「うむ。任せておくがいい。・・・では行くぞ、エンジュ」
ヒサメとエンジュは城を出て空を見上げる。
少女たちは既に姿を変えた後だった。
「数は減ってるみたいだけど、姿が変わってちょっと強そうに見えるね」
「合体、か・・・いいな・・・・・・」
「お姉ちゃん、どう戦ってく?」
と、二人の存在に気が付いた少女たちが標的を移す。
「ん、こっち来そうだよお姉ちゃん!」
その瞬間に少女たちは既に目の前まで迫り、光の剣を振るっていた。
「うおっ危ねっ!?」
二人はそれぞれ氷と硬質化させた炎でギリギリ受け止める。
「速いじゃないか・・・だが、それだけではこの北の大妖怪を倒すことはできんぞ!」
ナイトたちは連携攻撃を繰り出すが、二人の氷と炎を突き崩すには至らない。
「・・・エンジュ、お前はこのまま防御に徹していろ。後は、我に任せよ」
「お姉ちゃん・・・はいはい」
どうやらいつものスイッチが入ってしまったようだ。
ヒサメは無防備に歩き出す。
これを好機と捉えたナイトたちが一斉に襲い掛かる。ヒサメは一切の防御行動を取らず、ナイトたちの光の剣が次々にヒサメを切り刻んでいく。しかし、幾ら斬り付けようともヒサメの身体に傷は付かない。
「フハハハハ!我がその気になればこんなものよ!」
ならばと、ナイトたちは光を蓄え始める。
その様子を見たヒサメはニヤリと笑う。
「さあ、見せてみるがいい!貴様等の光を!その力を!」
そう言い、一切防御する気などないかのように両手を広げる。
「グランドクロス・ノーブル」
ナイトたちがそれぞれ放った複数の十字が一つとなり、その形すら視認できなくなるほど眩しく輝く光の塊がヒサメの頭上に落下する。
地面に達すると同時に光の塊は弾け、周囲に強い光を撒き散らした。
光が治まり、漸く見通せるようになったそこに、ヒサメの姿はなかった。
と、何処からか声が響いてくる。
「力を集約した技・・・・・・良い一撃だ」
声はするが、姿は見当たらない。ナイトたちは周囲を見回す。
「だが、相手が悪かったな。・・・我は北の大妖怪なり!」
その時、辺り一帯の気温が急激に低下し、直ぐにあちこちに氷が張り始める。それはナイトたちの身体にも及んでいた。ナイトたちは強い光を放ち、次第に身体を覆っていく氷を溶かんと試みるが、全く溶ける様子は無い。
「!!」
と、ナイトたちは気が付いた。身体を覆う氷が、身を焼くほどの高温になっていることに。
「どうだ?我が『こおり』は。簡単には逃れられぬぞ?フフフ・・・あがけ・・・足掻け足掻け足掻け!!全力で足掻いて見せろ!とこしえの氷に飲み込まれたくないのならなあ!!」
ナイトたちは光の剣で氷を砕き、削ぎ落とそうとするが、氷に触れた瞬間に光の剣までもが凍り付いてしまう。
「・・・・・・」
ナイトたちは互いに顔を見合わせると、自らの身体を光に変える。
「ん?これはもしや・・・」
氷の侵食がピタリと止まり、光が抜け出し、一つになる。そして一塊となった光はまた新たな姿を形成する。
その姿は最早、少女と呼ぶには大人び、頑丈そうな鎧を身に纏っていた。
「やはりな・・・更なる合体を見せてくれるとは!その勇ましい姿!昂らせてくれる!」
氷が形を成し、ヒサメが姿を現す。
「この北の大妖怪ヒサメ、貴様の勇姿をこの身で受け止め、挫いてやろう!」




