ナイトの猛攻
ソルジャーたちの変化は別の場所でも起こっていた。
「竜王様ー!」
「ああん!?」
白翼の少女たちと戦いを繰り広げていたメアトリスたちの元に、武装した者たちがやってきた。
「何だお前等は!」
「育みの里より参りました、特殊部隊です!これより白翼の少女たち、ゼウス・ソルジャーを全員、この武器を用いて第六世界へと送ります!」
「そうか・・・整ったか・・・」
メアトリスはその知らせに少し残念そうな表情を浮かべる。
「ん・・・あ、姉上!あ奴等の様子が・・・!」
少女たちが突然光に包まれ、集まっていく。そして三つの光の玉ができ、それぞれ形を成す。
「あの姿は・・・成長したのか?」
「報告です!あの者の名はナイト!ゼウス・ナイトだそうです!」
「ナイトだ?名前なんぞどうでもいいが、面白えじゃねえか!行くぞ!」
メアトリスがナイトの一人に向かい、真っ直ぐ距離を詰めて行く。と、突然その姿が消える。
「!?」
と同時に、ナイトの拳がメアトリスの顔面を捉えていた。
吹き飛ばされるも、空中で体勢を整えるメアトリスは、その背後に気配を感じ、裏拳を振るうが、空を切ってしまう。そして同時にメアトリスの後頭部をナイトの足が捉える。
「姉上!」
メルリアは大社を覆う結界の上に叩き落されたメアトリスの救援に向かおうとするが、別のナイトが立ちはだかり、それを遮る。
「むっ!そこを退くのじゃ!」
拳を振るうが、消えるようにかわされ、反撃の一発を受け、同様に結界の上に落とされてしまう。
二人のナイトは結界上の二人に対し、十字を切る。
「「グランド・クロス」」
二つの巨大な十字架が二人に迫る。
「お二人共!」
隊員たちが加勢に向かおうとするが、三人目のナイトが立ちはだかる。
「構うな!こっちは心配いらん!だろう、メル!」
「うむ!いらぬ!」
そして二人は大きく息を吸い込む。
「「メガブレス!」」
それぞれが十字にブレスを放ち、押し返す。
「お前等!そっちの一人は任せたぞ!」
「はい!お任せを!」
ナイトに成長した事で、速さは元々速かったから大した変化を感じないが、これまで足りていなかった力が付き、より複雑な動きをするようになっていた。
ナイトたちはその両手に光で形成した剣を装備し、速く乱雑な動きでメアトリスたちの周囲を飛び回りながら撫でるように斬り付けてくる。その切れ味は、竜化させている部位で受けても鱗に傷が付けられるほどである。攻撃されるタイミング、位置が読めず、二人は防御に徹するしかできずにいた。
「姉上よ・・・このままでは細切れじゃぞ!」
「んなこたあ分かってる!」
反撃に出たいが、半端な攻撃では当たらず、手痛い反撃を受けるだけ。
「・・・よし。メル、両腕を顕現させて周囲を薙ぎ払え・・・今直ぐにだ!」
「分かったのじゃ!」
メルリアは両腕を水平に広げ、顕現させると同時にその場で回転し、周囲を薙ぎ払った。
「ぬおっ!姉上!?」
ナイト二人には上空に回避されて当たらなかったのだが、傍にいたメアトリスには直撃してしまった。
驚くメルリアだったが、メアトリスはこれを狙っていた。
腕の直撃を受け、吹き飛ばされながらも体勢を整えたメアトリスは、既に息を蓄えていた。
「ディバージェント・メガブレス!」
上空に回避したナイトたちへ向け、広範囲に拡散するブレスを放つ。
しかし、ナイトたちは範囲外へ大きく離脱して回避、ブレス後の隙だらけのメアトリスへ向け、両側から一直線にその剣を振るう。
「アサルト」
「クロス」
光の剣がメアトリスの身体を切り裂いた。




