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黒翼のカナエル  作者: 氷花
プロト・ゼウス編
205/240

学校の攻防

 三人が学校に到着すると、既に学校全体を覆うように半球状の結界が張られていた。その結界の外、

学校の門の所で二人の先生がソルジャーたちと戦っていた。

 その内の一人、白虎種の女性が空の白翼の少女の一体に向かい、魔力の爪を纏わせて跳びかかる。

しかし、白翼の少女はその場から突然姿を消し、次の瞬間には女性に対し、一撃を叩き込んでいた。

「くぅっ!」

 女性は勢い良く叩き落されるが、見事な身のこなしで難なく着地する。しかし、未だ体勢の整わな

いそこへ、白翼の少女たちが一斉に拳を構え、そこに光を纏わす。

「光拳」

 一斉に鋭い光が放たれる。

 向かい来る光の槍に対し、もう一人の先生、兎種の女性、ハワーやミーニの母親でもあるデイが懐

中時計を手に前へ立ちはだかり、槍に対して手をかざす。

「タイム・リターン!」

 突如光の槍が来た道を戻り始める。

 白翼の少女たちは戻り来る光の槍を回避するが、光の槍は発射元の白翼の少女を追尾し、直撃した。

「ふー・・・・・・セニア先生、怪我は無いですか?」

「いやあ、面目ない、デイ先生。何とか先生の負担を減らしたかったんだけども、如何せんあの子達、

速くて速くて当たりゃあしないよ。あはは!」

 セニアは緊張感無くヘラヘラ笑う。

「先生方、大丈夫ですか!?」

「ヒイカさん!?それにフェローリアちゃんまで!?んもうっ!こんな時にお外を出歩いてちゃだめ

でしょ!めっ!」

「う・・・ご、ごめんなさい・・・」

 『先生』という立場の人と接するのに未だ慣れていないフェローリアはシュンとし、驚くほど素直

に謝り、頭を下げた。

「あ!セニアちゃんだー!ひっさしぶりー!!」

「おお?セイムち~ん!相変わらず元気そー!!」

 二人は仲良くハイタッチする。

「セニアちゃん、先生になったんだよね?ちゃんと先生できてるの~?結構気まぐれ屋さんじゃなか

ったっけ?」

「残念ながらそれが結構様になっちゃってるんだな~これが。子供たちは見てて楽しいよ?予想外の

行動とか答えとかするし、どの子もこれからどんな風に成長して行くのか楽しみでさ、全然飽きない

んだよね~」

「二人共!今はそんなお話してる場合じゃないでしょ!」

「「ごめんなさーい」」

「デイ先生、避難状況はどうですか?」

「今、別の先生方が避難誘導に行って下さっています。なのですが、結界の中に入るための入り口は

この門の所にしかないので、空のあの子達から安全を確保できないと呼び込むことができないんです」

「つーことは・・・戦うしかないってことだよな!あー・・・ですよね?」

「もうー・・・でも、誰かが押さえないといけないのは確かだけど・・・でも、生徒に戦うのを手伝っても

らうのなんてほんとはだめなのにー・・・」

 と、

「皆さん!来ますよ!」

 白翼の少女たちが再び光の槍を放ってくる。

「また私が還して・・・!」

「待って!ここは私が防ぐよ!フォルムバール・フェアシュテルカ!」

 セイムが魔力の帯で光の槍を受け止め、払い除けた。

「魔力少ないんでしょ?だったらもっと、重要な時のために温存しとかないと!」

「そうだね・・・ごめんね!」

「今度はこっちから行くぜ!」

「あ!フェローリアちゃん!」

 フェローリアは翼を広げ、空の白翼の少女たちの中へ突っ込んでいく。

 手当たり次第に接近戦を仕掛けていくが、全く当たらない。

 一方の白翼の少女たちはその数的優位を生かし、見事な連携でフェローリアを地面へ叩き落す。

「ぐう・・・いってえ・・・確かにはええな・・・・・・おまけに連携も完璧、と・・・」

「フェローリアちゃん!無茶な事しちゃだめでしょ!めっ!」

「ご、ごめんなさい・・・」

「とにかく、今は彼女たちを倒す必要はありません。避難者たちに安全にこの門を潜ってもらう方法

を考えなくては・・・・・・」

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