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黒翼のカナエル  作者: 氷花
プロト・ゼウス編
199/240

強化天使

「これ・・・ど、どうなってるの!?」

「分かんない!ミーニちゃんのこと、探しに外に出たら突然空に現れて・・・」

「とにかく、今言えることは、味方ではないということです」

 その無数の白翼の少女たちからは敵意が感じられ、フュクシンが皆を守るように立ちはだかり、対

峙している。

 無数にいる中から一人が地上に降りてきた。

「お前たちに告ぐ。その仔兎をこちらに渡せ」

 エミエルとは違い、はっきりと感情がこもる声と高圧的な態度で要求してくる。

「目的は何ですか?」

「当然・・・始末する!」

「!?」

「これはもう、この世界線だけの問題ではない。その仔兎が存在し続ければ全ての世界線が歪められ

てしまう。これは、全ての世界のためだ」

「・・・ミーニちゃんが世界をゆがめるって言うの!?ふざけないでよ!!」

「お姉ちゃん・・・」

「そうだ!ミーニはそんなことしねえし!始末もさせたりしねえ!!」

「そういうことです。あなたたちの要求はお断りします!」

「みんな・・・」

 恐らく、あの白翼の少女が言っているように、自分はいるだけで世界を歪ませてしまう存在になっ

てしまうだろう。いや、たくさんの『私』の力を得た自分はもう、なっているのかもしれない。だか

ら、きっとあの人たちの言っている事も、やろうとしていることも正しいと思う。でも・・・・・・

「だろうな。・・・ならば破壊しよう。この世界ごと!全ての世界のために!!」

 白翼の少女が手で合図を送ると、空に待機していた無数の白翼の少女たちが一斉に散開する。

「まさか!無差別に攻撃する気ですか!?」

「その仔兎を今直ぐ渡せば止めよう。だが、それはしないのだろう?あいつらを止めに行きたくば行

くがいい。尤も、隙ができれば突かせてもらうがな」

「くっ・・・」

「何をしているのです!?」

 そこにエミエルが姿を現した。

「必要以上に他の世界線に干渉するなど、誰の許可を得ての行動ですか!」

「許可、か・・・ふふふ・・・はっはっは!」

 それを聞いた白翼の少女が笑い出す。

「許可!あなたはそうだろう!許可された範囲内でしか行動できないあなたはね!だが、我は違う!

許可など必要ない。己で考え、行動できるのだ!・・・そして消されない。あなたのようにね!幾人目

かのプロト・ゼウスよ!!」

「!!い・・・幾人目・・・・・・?で、では、あ、あなたは・・・何者だと・・・」

「ふん、他でもないあなたが知りたいというのならいいだろう、教えてやる。我が名はゼウス・ワン!

先代のあなたを『素』に生み出された『強化天使』だ!!」

「素・・・?」

「強化天使!?」

 フュクシンが驚きを露にする。

「そうだフュクシンどの。この身は、かの強化獣人精製装置を改良し、造られた強化天使精製装置に

より生み出されたものだ。あなたが最初の強化獣人ならば、我は最初の強化天使、と言う訳だ」

「もしかして、他にいた大勢の天使たちも・・・!」

「いいや、少し違う。あいつらはゼウス・ソルジャー。白紙の書に描かれた強化天使であり、意志は

無く、我の忠実な僕だ。お前たちが幾ら抵抗し、あいつらを倒しまわった所で、また新たなソルジャー

が送り込まれてくる故、数は減らんぞ?」

 その時、あちこちから爆発音と悲鳴が聞こえてきた。

「さて、どうする?もう始まってしまっているが?」

 ミーニは悩んでいた。自分が行けばこの惨事を止める事ができる。しかし、託された想いもある。

 どうするべきかと考えていると、不意にハワーが手を握ってきた。

「ミーニちゃん、大丈夫だからね!」

「お姉ちゃん・・・でも・・・」

「その通りです。ミーニさん、あなたが行く必要はありません。あの者の策には幾つもの穴がありま

す。問題ありません」

 フュクシンはそう言い、何とも頼もしい微笑を浮かべてみせる。

 そして、目の前の白翼の少女ゼウス・ワンに向かって言い放つ。

「お断りします!」

「全く・・・面倒だが仕方が無いか。・・・おい、相手をしてやれ」

 ゼウス・ワンが空へ飛び上がると同時に、ソルジャーの一体が降り立った。

「やってやろうじゃねえか!」

「いいえ、皆様は屋敷の中へ」

「ですが・・・!」

「皆様がミーニさんを守って下さってさえいれば、私も安心して戦えます」

「!・・・分かりました、皆さん、行きましょう!」

 ラキエルたちはミーニを連れ、屋敷内へ向かって行く。

「ほら!エミエルちゃんも一緒に!」

「あ・・・・・・」

 ハワーが呆けていたエミエルの手を取り、引っ張って行く。

「逃げられると思うか!?」

 ゼウス・ワンがラキエルたちに向かい、光線を放つ。だが、

「弾かれた!?」

 光線はラキエルたちは疎か、屋敷の敷地上空の時点で弾かれてしまった。

「これは・・・亀・・・?」

 よく見ると、巨大で透明な亀が屋敷全体をその懐に抱え込んでいた。

「貴様の仕業だな!フュクシン!」

「玄武です。追い掛けられると思わないで下さい」

「ちっ・・・」

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