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君が邪魔するからやりたいことはやれないってのも言い訳  作者: 瀧野憂
絶対の守護者プラズマ
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最強の守護者プラズマ 一話


ペガセスに嫌われた男がバイクゥンに股がり森を駆け抜ける。


「エリア:ヨウコクから大帝国ジュグまで二キロか」


目的の場にたどりつくと、魔法使いは長い銀の髪を風になびかせながら呟いた。


「こんな激戦区(バトルフィールド)に観光にくるやつはただの馬鹿だねぇ」


中年の男女が荷物をまとめて移動している。他にもちらほら逃げてくる奴等がたくさんいる。


「まあ行くか」


魔法使いは住処を持たぬ流浪の民だ。

彼は過去に大罪を犯し、神による償いを命じられている。


「さすがに“ジュグを星暦9000光年以上繁栄させろ”なんて無茶振りすぎるだろう」


彼は愛馬の上で頭を抱えながらゲートをくぐる。



「大帝国ジュグへ歯向かうとは愚かなやつらだな。そんな不当な交渉には応じぬ」


騎士の少女は白馬に股がり、一つに縛った金の髪を靡かせる。


「く……でかい顔してられんのもいまのうちだぞ!!」

「どうすんのよマジクサーレン!」

「一旦退こうエクソレット」


男は後ろに女を載せて去る。その後に少数の兵が続いていく。

奴等は戦に来たというわけではなく物資を要求してきたのだ。


「この後に偽のエリアとの戦をするという話をしたのだ。どうせ奴等もしばらく攻めては来ないだろう」


「なんだ戦やってないのか……」

「なんだ貴様、その服は魔法使いだな。こんな時に野次馬とは命知らずだな」


どいつもこいつも騎士の奴は、なんだ貴様とかいうお約束だな。


「ああ、私はヴェルボードと言う魔導師です。本日は観光に参った流浪の者ですが雇われて戦地を廻る事もあります」


馬から降りてその場にひざまずく。


「そうか、我はバルヴィエラ=ネモニアス、公爵家の娘だ」


少女は凛々しいという言葉がピッタリだ。

しかしなぜ悠々自適に暮らせる貴族の娘が、わざわざ騎士をやるのかわからない。


「ああ、そういえば騎士様はさっき他エリアと戦をする偽の情報を流してた。と言っていましたよね」


神の命声が降りているのだから、今でなくてもこれから戦が起きるかもしれない。


「ああ、奴らがアラビンのブークトレア領と同盟を結び、対等になれなどと金も供物もなしに交渉してきたからな。馬鹿らしくなり、戦を控えているから去れと引かせたんだ」


まあそれは当然の事だろう。あえて殺さないことで、抱腹の念を弱めたというわけか。


「奴等が偽の戦をすると言ったエリアが、ジュグを進軍にくる可能性は?」

「それはないだろう。戦をしない農工のグリテアだ。万が一奴等がグリテアに話してもな」


「でもここで戦がおきることは民達が避難した事で周りに知れてるし、奴等がグリテアではない国の王達、ひいては全6のエリアに触れ回った場合は?」


「そんな間抜けな事、実行する者がいるか?」


――彼女の馬が暴れだした。


「バルヴィエラ姫!!敵兵です!!」

「どこのエリアだ!?」


「チャイカのセイジャク領です!!」

「く……芝居で民を避難させた事が仇となったか」

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