無限の神様 ミカンループ 一話
俺は生まれついたときから神だった。
人間から神王と呼ばれながら永劫を退屈に暮らす。
他の神達は下界で楽しくやりたいほうだいなのに俺だけ椅子の上に千年だ。
「ミカンループ様」
神王補佐のミュニルヴェが様子見にきた。
「その名前マジ勘弁」
「ではどうしましょうか」
「神王としか呼ばなくていい。あーそれにしても暇だな」
「民の様子はこちらからごらんになれますよ」
――普通になんの捻りもなく窓だ。
「聞いてくれよ、この前ローの女から告白されちまってよ~」
「マジかよマジねーわ」
「ローなんかと結婚したら魔力がなくなるぜ」
「だよな~」
「やーい魔法使えない族~!!」
「はあ、人間とはマジカスだな」
「仮にも神様がマジカスとか止めてください」
「なんか嫌がらせをしよう。ああ、いいこと思い付いた!!」
■
「ハイの諸君」
「はは……」
御簾越しに高位魔導師達へ語りかける。
「お前達は一年以内にローと結婚しなければ、その権威ある力を剥奪する。及び地上の魔力をすべて枯渇させよう」
「なななんですと!?」
「よりによってローなんかと、あんまりですわ!」
「これはもう決めた事だ。嫌ならばしなくていいのだぞ」
一年後にどうなっているかしらないがな。
「神王様、本気ですか?」
「まさか」
「ではなぜあのようなことを」
「奴等がプライドを保つか捨てるか楽しみなだけだ」