君が邪魔 1
かつて世界はミーゲンとヴェルドに分かれ、二対の創造の神は干渉せず秩序を守って暮らしていた。
けれどもいつの間にやら、混ざりだし、浸食されてミーゲンヴェルドと呼ばれるようになってしまった。
混ざらず残り、取りこぼされた穢れた世界はヴェラムと呼ばれ、いまだに隔離されている。
「ミーゲン界を作った神ミカンループは、いがみあう2つの種族をまとめるべく、ある法を作った。
その法とは? この問題を……スベルクダス・オマレイ!」
「はい! 高等魔法の使えるハイはローと婚姻しなければならない。というものです」
「正解だ。席についてよろしい」
◇
「……でよー!」
「あれ……もう帰んの?スベル」
「うん、じゃあな」
「おう、また明日」
いつもの通り学校が終わり、多くはない友人と別れ、教室を出る。
「スベル~!」
「ミルム」
「放課後はカフェいこって約束したでしょ?」
幼馴染のミルムが頬を膨らませ、隣の教室から飛んで出てきた。
「屋内でホウキなんて危ないぞ」
「だいじょうぶよ、そんなヘマしないわ」
こいついつか事故を起こしてしまうんじゃないか?
「とにかくいきましょ」
「ああ」
学校から出てホウキにまたがる。上から路地に入る人影が見えた。
「なに見てんだよカップル!」
「ひっ!」
上空からメンチを切られてミルムはびびる。
「やめねぇか! みっともねえ」
銀髪赤目の少年が男を殴りとばした。不良のボスで助けてくれたらしい。
「別のほうからいきましょ!」
「そうだな」
◇
「おいしー」
「そんなに甘いの好きなのか」
「違うよ。かわいいからに決まってるじゃん」
女子ってわかんないな……好きじゃないのに金払って食うとか意味わからない。
「おなかいっぱい」
「じゃあ帰ろう」
◇
「そこの少年少女よ! 締め切り前なのにネタがないのだ! 助けてくれ!」
「魔法学校で幼馴染と青春ストーリーとかは?」
「いいな!」
「いっちゃった」
「顔はふつうなのにへんな人だった」
「ここらへんはきれいな花」
「歩くか」
公園で休憩していると、どこからか音楽が聞こえてきて会話が止まる。
よくあるクラシックなのに、庶民の自分でも分かる上手さで思わず聞き惚れていた。
「いい音色……」
なんだか良い雰囲気になり、目と目が合う。
「いい音だよね……」
「あの、イチャつくなら家でやって」
ベンチで寝転ぶ薄茶髪の不健康そうな青年がむくりと起き上がる。
「す、すいません」
「じゃあ帰るわね!」
「おおおおう!」
とんだ邪魔が入ってしまって、いい雰囲気はぶち壊された。




