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君が邪魔するからやりたいことはやれないってのも言い訳  作者: 瀧野憂
小国の統率者は離反者を穏便に始末したい
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小国離反者は始末 1

小国離反1


僕が生まれる前に小国カラグアはグリテア王の命令でガイアス公国の属国となった。

僕の一族は代々この国の民衆を統一し、公国の命令があればすぐに兵士を用意したりする役目がある。


「エレフ殿、此度は生まれて2か月のものもおります。何卒殺さないでやってください」


大公の息子で幼馴染のエレフタレードに、使い捨てにするなと釘をさして兵士の卵を引き渡す。

兵士の卵は我々の技術で作った鳥類人間兵士で、孵化させると2か月あまりで10歳程度に成長する。

平和でも兵士は寿命が短いので、災害時の非常食のように継ぎ足ししなければならない。

見た目が人だの非人道さの、命の冒涜だの聞き飽きているし、もう罪悪感などとうの昔に消えてしまっている。


「ジルティル」

「サリドマイノ公女……眠れないのですか?」

「なんだか嫌な予感がするの」

「たとえなにがあっても僕は一緒にいます。安心しておやすみください」

「うん」




「ジルティルは心配性だなぁ。このところは禁戦協定で平和だよ」


「侵攻者です! カラグアの国民はただちに避難してください!」


彼が平和といったそばから、進軍アラートが数年ぶりに鳴り響いた。



「あれはフラグでしょ! アンタ嘘つきですよね!」

「油断したよ」

「では僕は国へ戻ります!」


僕が着くころには本国の監視員が避難誘導しているはずだ。



「どこだよ敵は……」

「上だな! 気をつけろミリス!」

「ラウロコメド! あれ!」

「アテラス……中堅国だよな、なぜこんなところに!?」



「カラグアの国民につぐ、ただちに投降せよ。我々はジュプス国大王の命により、貴殿らを捕縛する」

「おとなしく従えば攻撃はしない」


身分の高い女、王族とみうけられるような眼だ。


「逆らわず従う、皆いくよ」

「はい! ミリス隊長」


「おそろしく聞き分けのいいこと」

「俺たちは小国なのでこういうのは慣れています」


「遅くなってすまない」

「長!」


「貴公が頭ね」

「いかにも、カラグアの領主ジスティルです」

「こんなに躾の行き届いている人間は初めて見る。どんな非道な脳改造をしたの」

「我々はどんなになろうと生きる。生存するためならどんなことでもいとわないだけです」


あと5年くらい若ければ強い力を手に入れて無双するなど妄言を吐いただろうが、これでも600の命を預かるトップなんでね。



「私はアテラス王家第一王女テトラヘルシキア。約束の通り国土に傷はつけず人民を連行する」


たいがいこういう約束は守られることなく破壊されるものだが、目的は侵略よりも奴隷、民族の住処の調査と機器の使用といったところだろう。


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