第67話 真夏のビーチと9人の美女
8月最初の土曜日、シェアハウスの恒例行事「海水浴」が行われた。
その日は、朝から雲ひとつない青空が広がっていた。
このイベントの名称は「海水浴」だが、実際にはビーチサイドのリゾートホテルに一泊する豪華な旅行である。
住人たちに思いっきり夏を楽しんでもらおうと、明日奈が周到に計画してくれたのだ。
今回の目的地は、神奈川県葉山町にある森尾海岸だ。
住人たちは、朝8時に車2台とバイク1台に分乗して、葉山を目指した。
明日奈の高級ミニバンには、助手席に祐希、後部座席に未来、琴葉、さくらが乗った。
怜奈のコンパクトミニバンには、助手席に里緒奈、後部座席に朱音と沙織が乗った。
瑞希は自分の大型バイクで、颯爽と風を切って目的地へ向かっていた。
森尾海岸は、シェアハウスから車で40分ほどの距離にあり、午前9時前には目的地に到着した。
駐車場に車を停め、メンバーがビーチに降り立つと、そこには絶景が広がっていた。
「うわぁ~、富士山が見えるよ!」
未来が興奮して声を上げた。
「ホントだぁ、それに江の島も見えるよ!」
琴葉が沖を指さした。
相模湾に面する森尾海岸からは、正面に江の島が見え、その向こうに富士山がくっきりと浮かび上がっている。
緩やかな湾になっているビーチには、白砂と綺麗なマリンブルーの海が広がっていた。
渚には穏やかな白波が立ち、まさに絶好の海水浴日和だ。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
海の家で着替えを済ませ、再びビーチに集合した瞬間、祐希は言葉を失った。
美女9人の水着姿、その破壊力は想像を絶するものだった。
祐希は、みんなに気づかれないように一人ひとり水着を観察していった。
オーナーである明日奈は、黒のモノキニだった。
脇腹が大きくカットされたデザインと、腰元の華奢な紐が、セクシーさを際立たせている。
大人の色香と、漂う背徳的な空気に、祐希は思わず見惚れてしまった。
「みんな集合して~。
今日の予定を発表するよ~」
景色に見とれている住人たちを呼び集めて、明日奈が話し始めた。
「今日のお昼は、この海の家でバーベキューを予約してあるから、12時に集まってね~」
指さした先には、白い柱とテーブルがオシャレな海の家があった。
明日奈は真面目に説明をしていたが、今の祐希にとって、その声は単なるBGMでしかなかった。
彼の目は、水着美女たちに釘付けにされていた。
視線の先にいた怜奈の水着は、淡いピンクの花柄ビキニだ。
白のシースルーウェアを羽織り、麦わら帽子がよく似合う、健康的で夏らしい落ち着いた装いだった。
清楚な女性らしさに、祐希は思わず笑みを浮かべた。
「え~っと、ホテルのチェックインは、15時から17時の間にお願いね」
事務的なアナウンスは右から左へ流れていく。
その隣にいる瑞希の水着は、日差しによく映えるオレンジのビキニ。
しなやかな肢体と弾けるような笑顔は、見ているだけで元気をもらえそうだ。
「鍵はフロントで、シェアハウスの名前と部屋番号を言って受け取ってね。
ちなみに今日の宿泊先はあそこです」
明日奈は、4階建てのラグジュアリーなホテル『ビーチサイドリゾート渚』を指差した。
それは、すぐ目の前がビーチという全室オーシャンビューの高級リゾートホテルだった。
女子たちはその豪華さに「うわぁ、ゴージャスぅ」と言って感心していたが、祐希の関心は別の「絶景」にあった。
祐希の視線は里緒奈の水着に移った。
それは、眩いメタリックゴールドのビキニだった。
大胆に晒された豊満な肢体と、その露出度に祐希は思わず目のやり場に困ってしまった。
明日奈は、今度は夕食の説明を始めた。
「夕食はホテル1階のレストランで18時からよ……
コース料理だから、みんな遅れないようにね」
それと同時に、祐希の視線は朱音に移っていた。
朱音の水着は王道の赤ビキニで、腰元で揺れるリボンが愛らしかった。
爽やかな笑顔と抜群のスタイルは、まさに夏の主役といった輝きだった。
「それじゃあ、部屋割りを発表します。
3階の301号室は怜奈ちゃんと瑞希ちゃん。
302号室は里緒奈ちゃんと朱音ちゃんね」
名前を呼ばれた4人を眺めたあと、明日奈が次の名前を読み上げた。
「303号室は、未来ちゃんと琴葉ちゃん」
その声に反応して、祐希は未来を見た。
未来の水着は水色のギンガムチェックのフリルビキニ。
トレードマークのツインテールがよく似合っていた。
完成された可愛さに、祐希はドキっとさせられた。
続いて視線は同室となる琴葉へ。
彼女の水着は、鮮やかなレモンイエローのバンドゥビキニだ。
肩紐のないデザインが、肩から胸元にかけての滑らかなラインを強調し、シンプルながら開放的だ。
普段のクールな雰囲気と、惜しげもなく晒された白い素肌のギャップがたまらなかった。
明日奈の部屋割り発表は続いていた。
「304号室は、沙織ちゃんとさくらちゃんね」
呼ばれた沙織を目で追う。
その水着はマリンブルーのビキニで、高い位置で結い上げたポニーテールが歩くたびに揺れていた。
白く滑らかな肌と、抜群のスタイルの良さに、祐希は思わず目を奪われた。
そして最後に祐希の視線を奪ったのは、さくらだった。
その水着は薄い桜色のビキニで、少女のような可愛らしさの中に、大人の気品を覗かせていた。
その可憐さに祐希は直視できないほどドキドキしていた。
「401号室は、私の部屋で……
そして最後、402号室は祐希くん……
ちょ、ちょっと、祐希くん聞いてる?」
「あ……は、はい、聞いてます……」
「嘘……私の話なんて聞かないで、女子の水着見てたでしょ」
「は、はい……すみません。つい目移りして……」
「まったくもう……」
「祐希ったら、いやらしいわねぇ…… むっつりスケベ!」
里緒奈が笑いながら祐希をからかった。
「今回の幹事は、そのむっつり祐希くんにお願いしてます。
みんな、何かあったら祐希くんに言ってね。
お昼以外はチェックインまで自由に過ごしていいよ。
それじゃあ、解散!」




