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第114話 深夜の特別看護

 病室前の廊下で、祐希の担当医である成瀬医師が明日奈を呼び止めた。


「篠宮さんの経過ですが、概ね順調です。

 傷口の癒合(ゆごう)も良く、夜間の付き添いも必要なくなりました」


 医師の言葉に、明日奈は安堵の表情を浮かべた。

 しかし、成瀬医師は手元のカルテに目を落としながら、事務的な口調で本題を切り出した。


「ですから、10月15日以降、夜間の付き添いは不要とさせていただきます。

 以降は当院の看護師が夜間の見守りを行いますので、皆様は面会時間の夜8時までにお帰りいただくことになります」


「はい、わかりました。

 お世話をおかけしますが、よろしくお願いします」


 明日奈は深々と頭を下げた。

 医師は「よろしくお願いします」と短く答えて去っていったが、病院内では別の理由が囁かれていた。

 若い女性たちが連日入り浸り、時には数人で夜を過ごす祐希の個室は、スタッフの間で密かに「ハーレム個室」と呼ばれ、風紀上問題があると一部の看護師から苦情が出ていたのだ。

 明日奈たちは知る由もなかったが、これは「病院の秩序を取り戻す」という病院側の意向によるものだった。


 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


 付き添い交代の当日。

 面会終了時刻が近づく祐希の部屋に、看護師長が1人の若い女性看護師を連れて現れた。


「篠宮さん、今日から夜間の巡回と看護を担当する三島です。

 まだ新人ですが、真面目で優秀な看護師ですのでご安心ください」


 看護師長の後ろから現れたのは、亜麻色の髪を短めのポニーテールにまとめた清楚な美女だった。


「初めまして、三島亜由美です。

 篠宮さんの回復を全力でサポートさせていただきます。

 どうぞよろしくお願いします」


 非の打ち所のない丁寧な礼。

 その誠実で真面目そうな様子に安心し、明日奈たちは病室を後にした。

 一礼した彼女の、細身に似合わぬたわわな胸の膨らみに、祐希は驚きを隠せなかった。


「それじゃあ、三島さん。後はよろしくね」


 看護師長はそう言い残して部屋を出ていった。

 静まり返った特別個室。

 亜由美による夜間看護体制がスタートした。


 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


 午前0時、静寂に包まれた祐希の特別個室。

 担当看護師の三島亜由美は、決められた時間に病室を訪れ、祐希の様子を伺った。

 常夜灯のかすかな灯りの中、ベッドの上で、祐希が苦しげな呻き声を漏らしていた。

 彼女がペンライトで照らすと、祐希がお腹を押さえて身悶えているのを、亜由美は心配した。


「篠宮さん、どうしました!? どこが痛むんですか!」


 小声で祐希に話しかけたが、祐希はうなされながら寝ているようだった。

 慌てて毛布をはぎ取った亜由美の視線に飛び込んできたのは、パジャマのズボンを押し広げ、今にもはち切れんばかりに主張する祐希の「息子」だった。


「ひゃっ……!」


 生まれて20年間、異性と出会う機会に恵まれず、一度も男性経験のない彼女にとって、それは未知の光景だった。

 彼女は腰を抜かさんばかりに驚き、呆然とその光景を凝視した。

 亜由美の悲鳴で、祐希が目を覚ました。


「え……あ……」


 はがされた毛布。

 露わになった自身の生理現象。

 そしてそれを、顔を真っ赤にして凝視するナース。

 状況を理解した祐希は、絶望的な羞恥心に襲われ、咄嗟に右手で股間を隠した。


「ご、ごめんなさい! 篠宮さんが苦しそうだったので、つい……」


「い、いや……びっくりさせてごめん。

 これは、その、男の生理現象なんです。だから気にしないで……」


 祐希の必死の弁明に対し、亜由美は驚きを含んだ瞳で、しかし極めて真面目に問い返した。


「そ、そうなんですか……?

 とても苦しそうでしたよ……

 でも、これ、どうすれば収まるんですか?

 放っておいて大丈夫なものなんですか?」


「あ、いや……溜まっているものを出せば、収まると思うけど……」


「わ、私に何かお手伝いできることはありますか?」


「えっ」


 祐希はその言葉に絶句した。

 しかし亜由美の瞳に不純な光は全く感じられない。


「患者さんのお困り事に対応するのは、看護師の務めですから。何でも仰ってください」


 入院以来、長く続いた禁欲生活。

 目の前には、清楚で献身的な美人ナース。

 祐希の性欲メーターは限界を突破していた。

 彼は自らの本能に抗えず、誰もいない個室の暗がりに紛れて、禁断の願いを口にした。


「これ……口を使って……鎮めてもらえませんか」


「えっ、口で……これを?

 わ、分かりました。私にお任せください」


 亜由美は震える手で清浄キットを取り出すと、医療処置を行うかのような手際で祐希を清め始めた。

 そして意を決したようにベッドに乗り、彼の「息子」をその手に優しく包んだ。

 初めて触れる男性自身に驚きながらも、彼女は顔を寄せ、献身的にその昂ぶりを飲み込んだ。


「し、篠宮さん……どう……ですか?」


「と、とてもいい感じ……です……」


「よかった……」


 亜由美は吸い付くように口内の感触を強め、さらに刺激を強めていく。

 祐希の意識は快感の渦に飲み込まれそうになっていた。

 このアダルトビデオのようなシチュエーションに祐希は興奮していた。

 そして、思わず願望を口にしていた。


「も、もう少し……

 できれば、胸を見せてくれたら、出せるかもしれません……」


「分かりました」


 亜由美は素直に祐希の要望に従った。


 亜由美がブラジャーをずらすと、清楚な顔立ちからは想像もつかない、豊満なFカップの乳房が零れ落ちた。

 小柄で細身な彼女のどこに、これだけの豊満な胸が隠されていたのか。


「触っても、いいですか?」


「は、はい、ご自由に……」


 祐希は自由のきく右手で、手のひらから溢れ出すほどに柔らかな果実を、思う存分揉みしだいた。


「あ、っ……んっ……」


 初めての感覚に亜由美は身体の芯が熱くなるのを覚え、思わず声を漏らした。

 吸い付くような弾力が手のひらを通じて脳を焼き、刺激は最高潮に達した。

 次の瞬間、祐希の全身を電撃が走り、今まで抑え込んでいたすべてが彼女の口内へと解き放たれた。


 亜由美はそれを全て受け止めると、ふぅ、と小さく息を吐いた。

 そこからは、すぐに「有能な看護師」に戻っていた。

 ティッシュで彼の「息子」を丁寧に拭き、洗面所で口をゆすいだ。

 そして祐希のパジャマの乱れを直し、優しく毛布を掛け直すと、彼女はいつものおっとりとした笑顔で一礼した。


「これで、ぐっすり眠れますね。

 おやすみなさい、篠宮さん」


 彼女は何ごともなかったように病室を後にした。

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