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黄泉❛心縁  作者: 紡縁永遠
一章怪奇休夏縁〜貮❛夏に集まる怪異の夢語〜
13/13

島に動く影

 「鬼縁⋯何を言っているのですか、冗談にしてはあまりにも」

 「冗談じゃないんですよ、私はこの道を歩くと決めたのですから」

 「なぜですか!なぜあなたのような人がそんなことを、このようなことは間違っています。なぜそんな残虐な方法を」

 「⋯…この世に奇跡を起こすのならば喜んで、黄泉の洞穴に身を捧げましょう。三日間皆に考える時間を与えます。私とともに地獄を黄泉を歩くか、私を殺して地獄を生きるか」


 怪異と関わる家は現代なっても存在する、やり方は家ごとに違いはある。それが怪異と関わる重みだからだ。



―――――――――



 『ずっと罪の意識があった、【僕】は、彼女の代わりに生きている、いや、代わりだなんて、聞こえのいい立場じゃない。きっと【僕】が全て取ってしまったのだから。』


 「来てくれたんだカイ、今日ね【死神さん】にあったんだ〜」


 『姉は危機として死神の話をする。そんな人が俺の前に現れたのなら、ソレは歪な【僕】への罰なのだ』



―――――――――



 「はぁ⋯」


 姉の話をしたからだろうか、久しぶりに鮮明な夢を、戒めを見た傀偽は着替えをし厨房に行き、朝食の準備をし始める。

 今日は碧医も手伝っている。ご飯、みそ汁、鮭の塩焼き、和風サラダ、少しの煮物。いたって普通の朝食だ。

 皆のいる部屋に向かう傀偽。起こすことへの許可は先にもらっていた。


 「おい、起きろ」

 「もう⋯ちょっと」

 「早起きは、健康な基本的習慣の一つだぞ」


 一部まだ眠そうにして、布団の中にいる。傀偽は宿の手伝いで習慣がついているからか、基本的にずれることはない。

 碧医は、医者が自分の健康を損なうのはどうかと思う、と言い放ち健康面を考えての自発的な行動から身についたものだった。


 「あと三分」

 「五分でも⋯」

 「もう起きちゃえよ、朝食抜くぞ」

 「「起きます!」」


 朝食を食べ終わり、九時。また宿の一室に集まる。


 「それじゃあ改めて整理するか」

 「そうだなまずは、」


 黄泉傀偽、フルール・エステルはなぜ不死なのか、


 理由が分からぬため不死に関わり深い怪異、人魚に会おうとした。


 「人魚には会ったが、結局は分からずじまいか」

 「ですが、海岸に言ったことで良い縁に恵まれたでしょう」

 「あまり自分で言わないほうがいぞ、天狗娘」


 めぼしい情報は得られず新たな問題も発生した。

 不死身の噂を流したのは誰なのか


 「一番は流した張本人に聞くのがいいだろが」

 「確か彦でしたっけ、彼もじきに島に来るはずです。そう⋯時期に⋯」

 「後は、」


 フードのモノは何ものなのか


 「ナイフ二本で俺と数秒やりあった、あいつは強いぞ」

 「ああ、そしてこの島にいる三人目の不死かもしれないってとこだな」

 「私が一昨日見たやつか」

 「もう一つあるな」


 なぜ宵闇の餓鬼は力を貸してくれたのか


 「それについてはまだ分からないな、指持ってかれたままだし」

 「治ってるだろ⋯そうだ鬼願さん、傀偽の不死について知ってるのは?」

 「カイの不死については誰にも話してはいない、不死はこの世にあってはならないものだからな、」

 「もちろん私もないですよ!」


 碧医も必死に否定している。他に知っている者はと思考をめぐらす面々、そこに傀偽忘れていたことを話す。


 「あっ!いた、俺の不死を知っている人」

 「はっ?」

 「えっ?」

 「そこから漏れたんじゃないのか?場所は、誰にだ!」

 「えっと工芸品店の多田良工(ただらこう)って店」

 「取り敢えずそこに行くぞ、もう少し考えて欲しかったな」


 今日の方針が決まったことにより解散となった。風菜は女性陣を連れて別のところに行くと言い、傀偽と死強だけが多々良工へと向かう。



―――――――――



 「ねぇ風音(かざね)ちゃん、昨日浜辺でケッコンを見たんだって、結婚式でもやってたのかな?」

 「いや、違うでしょ美波ちゃん、それに手が止ってるよ」

 「まるで何かに食い荒らされたように血肉が散らばってたんだって」

 「美波ちゃん、話し続けなくていいから、手を動かして、宿題あるんだよ」


 学校で宿題をする子供たち、一人はもう飽きているようで噂話を始めている。


 「いやだァァァァ!!せっかくの夏休みなんだから遊びに行きたい!大体何で私たちだけ学校で勉強なのさ!他のみんなはお休みなのに!」

 「しょうがないじゃん、私達には連れてってくれる親がいないんだから」


 夏休みに学校で宿題をする二人の少女、文句はあっても実現できない理由に不満とあきらめがあった。


 「沢慧(さわえ)先生が、連れてってくれればいいのに」

 「美波ちゃん、何で私たちが今勉強してるか知ってる?」

 「⋯知らない!」

 「やっぱり、」


 すでに宿題の目的を忘れたことに元気よく答えそれに呆れたよにため息が出る風音、仲がよいがこうなっているのは、今朝のこと



―――



 「うん?旅行に行きたい?」

 「うん、いいよっていいって!」

 「⋯ああ、いいぞ」

 「いいの?」

 「言ってみるもんだね!」


 親のいない二人は先生が親変わりだった。


 「ただし、夏休みの宿題が終わったらな」

 「えっ?」

 「それじゃあ、私は島の夏祭りの打ち合わせに行ってくるから、ちゃんと勉強をやっていくんだぞ」

 「嫌だァァァァ!!」


 親であると同時に教師であるため、勉学を優先する、そして島の立場としての仕事もあったのだ。



―――



 「って、朝言ってたじゃん、だから今やってるんだよ」

 「明日じゃだめ?」

 「だめよ、そうやって先延ばしにしては」

 「(つる)さん!」


 新たに教室入ってくるのは白い着物を来た女性、傀偽達が探している多田良工に関係する者のだ。

 そこに


 キンコーン


 来客を知らせるインターホンの音が響く。


 「誰か来たわね、出てくるからちょっと待ってね」

 「私が出てくるー!」

 「あっちょっと、」

 「まったく……」


 勉学から逃げるために、学校に来たお客さんに走り出す美波、それでもいつものことのように、笑みがこぼれる二人だった。


 「はーい何か御用ですか?」

 「ああ、すまんなぁ島民会のものなんだけど、沢慧先生いる?」

 「えっ?先生なら朝、島民会の打ち合わせに行ったけど⋯ところで島民会って何?」


 大人が二人、質問に対して沢慧先生なら来ていないと断りを入れてから自身の疑問をぶつける美波。


 「知らなかったの?!」

 「そうか、しかしまだ来てないんよなぁ」

 「そんなら、他に大人はいるかい」


 美波の質問に驚きながらも、他の大人がいるかを聞く二人の大人。


 「今は私と風音ちゃん、それに鶴さんがいるけど」

 「そんなら別んとこかいな」

 「なら後で伝えておこうか?」

 「ああ⋯かまわんよ、」


 またしても目的の者のがいないらしいが、それが良かったというのに美波に近づいて、

 ドスッ

 片方の大人が美波にナイフを突き刺した。


 「俺等が興味あるんは君らだから」

 「どう?驚いた?」


 どこからか現れた栗色の髪をした刀をもった女は美波に質問をする。そしてもう一人の大人は


 「あれ?残り二人おらんやん、どこいったん」

 「〈(しく)〉」

 「なんやぁ、これ、ただの布じゃあないなぁ」

 「鉄糸を織り込んだ特別製だ、」


 学校の中に入った男は、鶴の妖術に動きを封じられる。部屋には美波のセリフとは違い鶴と風音の他にもう一人、動きが止まった大人から離れるように外に駆け出す三人に大人はのんびりと外に声をかける。


 「なんやぁもう一人おったんか、鈴鹿(すずか)ぁ外行ったで」


 外に出た三人に鈴鹿と呼ばれた女が立ちふさがる。


 「はいはい、止まってね」

 「お前らなんなんだ?」

 「子どもが刺されても冷静だね、この子に何かあるのかな?それとも【怪異】にとっては子供一人の命はどうってことないのかな?」

 「どっちにしろ、鬼縁が探してたんはその子かよぉ」

 『こいつ?!あの技をもう抜けて』


 人とはいえない存在に、人質を取られて動けない三人、何かを的確に突く言葉に大人二人は焦りを感じさせていた


 「どっちにしろ殺してみなきゃわからないけど」

 「ならぁ殺すかぁ」

 「まて、誰か来てる⋯騒ぎになるのは、まずい」

 「そうね、」

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