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壮大な嘘告白をされ人間不信になった僕、後ろの席の女の子が付きまとってくるようになる  作者: 有原優
第七章 文化祭

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第96話 企画

 土曜日の朝。

 私は六時に目が覚めた。

 不思議だ。こんな時間に目が覚めるなんて。

 私は伸びをする。今日は珍しく陽太君の方から私を誘ってくれた。普段、陽太君から誘ってくれることなんてほとんどなかったのに。

 だからこそ、嬉しさを私は今感じている。


 そして私はカーテンを開け、陽射しを窓の外入れる。


 10時集合なのに、なんて気が早いの。

 そう、わたし自身に突っ込みを入れたくなったけれど、

 でも、構わない。


 それはわたしが陽太君の事が好きな何よりの証左なのだから。

 わたしは洗面台に行き、顔を洗った。

 そして歯を磨く。


 陽太君とお出かけするのは少し久しぶりだ。

 気合を入れなくちゃ。


 そして、歯を磨いた後、念入りに服を選んでいく。どれが一番オシャレな服装なのかを見極めながら。


 そして、朝ごはんを軽く食べて、

 外に出た。


 外は空気が澄んでいた。

 その中、私は太陽がまた照り付ける大地を踏みしめながら、目的地まで歩いていく。

 そして、目的の駅に着いた。

 まだ、到着時間まで20分ある。流石に速く着きすぎたかなと、軽く自嘲する。


 すると、10分後陽太君の姿が見えた。


「お待たせ」


 そう言った陽太君の表情はまぶしかった。

 私は「おはよう」と返し、

 陽太君に手を差し出した。


「今日はどこに行くの?」


 陽太君が行きたい場所、正直気になるところ。


「今日、朝ごはんはたべてきた?」

「軽く」


 わたしが朝に食べたのは、パンだ。

 パンにバターをつけて食べた。


「そっか、僕が行きたいところは……」


 そう言って陽太君は自身の髪の毛を掻いた。

 どうしたんだろう。


「朝ごはんを一緒に食べたかったんだけど、言うの忘れてた」


 そう言って謝罪を舌。

 そういう事だったのね。


「いいよ、そこまで多くの量はたべてないから」


 わたしが勝手に食べて来ただけ。

 だから陽太君には、そんな顔をしないで欲しい。

 そう思いながら、陽太君の顔を見る。


 そして、


「じゃあ、陽太君の言う朝ごはんの場所に行こ……!」


 そう言うと、陽太君は笑った。

 そして二人でカフェに打つった。


「……ここが美味しいらしいんだ」


 そう言って陽太くんは笑う。


 陽太君のくせに、なんて思ってしまった。


 それは陽太君に対して失礼かもしれない。


 だけど、今まで見たことがないような感じだった。

 陽太くんの新たな一面が見れて嬉しい、なんて思った。


「いいね」


 そして私は言った。

 そういえば、最初陽太くんを初めてデートに誘った日。陽太くんは寝坊して朝ごはんを食べてなかった。

私は朝ごはんを食べててお腹いっぱいだった。

 だから、私は陽太くんの食べるところを見てたんだったっけ。

 あの頃の陽太くんは、私に反抗的だった。

 だけど、あの日段々と陽太くんの態度が変わっていったんたっけ。

 懐かしいなぁ、あの時も楽しかった。

 それこそ、美咲さんのお願いを抜きにしても、遊園地に来てよかったと思えるくらいに。


「鈴美は何を頼むの?」


 陽太くんの問いに、「うーん」と迷う。

 どれも美味しそうで、選択肢が多くて困る。

 どれにしよう。朝ご飯食べてきたけど、全然食べられそう。


 私は迷った結果、サンドイッチセットにすることに決めた。

 その傍ら陽太くんはハンバーガーセットを選んでて、凄いなぁなんて思った。

 まあでも朝ごはん食べてないみたいだし、お腹は空いてるよね。


 そして私は陽太くんが食べている姿を見ながらただひたすらにサンドイッチを食べていく。


 やっぱりおいしい。サンドイッチの具材がいい味を出している、と感じた。


 私は陽太くんの顔を真っ直ぐに見る。


「どうしたの?」


 そう聞く陽太くんに、


「おいしいね」


 と言った。すると陽太くんは「良かった」と安堵の表情を浮かべた。


 ★



 鈴美に喜んでもらえてよかった、という気持ちでいっぱいだ。

 なにしろ不安ではあったのだ。もし、鈴美に喜んでもらえなかったとしたら、そう思うと不安で仕方がなかったのだ。


 本当に喜んでもらえてよかった。


 鈴美が朝ごはんを食べてたということを聞いたときはどうしようなんて思ってたけれど、万事うまく行って良かった。

 ハンバーガーも美味しかったし、いいこと尽くしだ。


 と、気を緩めるのはまだ早い、かもしれない。

 だって、まだまだ今日は始まったばかり。

 ここからも僕が失敗する可能性もあるのだ。


 思えば僕は鈴美にいつも負荷をかけていた。

 鈴美に企画を全て任せてきていた。

 だから今日僕が企画できてよかったなぁなんて思う。


 今日鈴美と出かけたのは、ただ出かけたかったからだ。もちろん色々な要因はあるとは思うけれど、すべては、鈴美と出かけたいという一点に帰すると思う。



「鈴美」


 僕は口を開く。


「今日は楽しい日にするよ」


 これは若干中二病すぎただろうか。


 だけど鈴美は笑ってくれている。

 今日という1日が失敗することなんてないと、僕はほとんど確信している。

 ほとんどというのは僕の自信のなさが表れた結果だと思う。

 だけど別にそれはいいや。


 結局今日楽しめばそれが全てなのだから。

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