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壮大な嘘告白をされ人間不信になった僕、後ろの席の女の子が付きまとってくるようになる  作者: 有原優


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第9話 作戦会議

 


 そしてファミレスに来たのはいいが、なんか僕の前に沢山の料理が並べてあった。

 というのも前と一緒だ。

 そう、僕と鈴美さんはタイミングを違えて入った。

 理由は単純に僕が担任に呼ばれたからだ。そこでの話は単にうまくやれているかなどだった。


 僕は成功してるわけではない。友達も結局ほとんどできてないし、クラスメイト達にどう思われてるのかも分からない。


 もし鈴美さんがいなかったら僕は完全に腐っていたなとは思う。

 ただ、僕は先生には素直に上手く行っていると告げた。

 何しろ、変な心配を先生にかけたくないのだ。




 それが終わりファミレスに合流したところ、



 こんなことになっていたのだ。

 どんな感じに?


 見ればわかる。

 僕の前に沢山の料理がすでに置かれていたのだ。正確に言うと、ペペロンチーノスパゲッティと、明太子のドリアと、エスカルゴだ。


「どうしてこんなに頼んでるの?」


 僕はおずおずと訊く。

 すると、


「勿論、たらふく食べてもらうためだよ」


 笑顔でそう答える鈴美さん。


 相変わらず何でこんなに裕福なんだよ。

 そう、ツッコみたくなる。


「はあ、頼んでしまったものは仕方がない。食べるか」


 そう言って僕はパスタを軽快に巻いていく。

 中々上手くまけている気がする。


「それで話なんだけど」

「うん」


 僕は頷く。


「どうやって友達を作るかなんだよね」


 そして、手を顎に当てながら鈴美さんは考え込む。


「鈴美さんは、学校に友達はいないの?」

「うん。だって私一匹狼だしさ」


 そう言ってガオーと狼の真似をする彼女。


「似てた?」

「似てました」


 正直そこまで似ているとは思わなかったが、ここで煮てないって言われたら彼女も多少なりともショックだろう。


「それで本題だよね。そもそも私自体が嫌われてるんだよね」


 僕はその言葉にうなずく。

 早速そっちの(僕が気になっていた)本題に入ってくれた。


「心当たりはないの?」

「あるよ」


 あっけらかんと言う鈴美さん。


「それは……?」

「あまり言いたくないけど、仕方ないかな」


 僕はつばを飲み込む。


「私、いじめられてたって言ってたでしょ? でも、それが婉曲されて伝わってるの」

「それはどういった?」

「私がいじめっ子を殴ったって」


 いじめっ子を殴った。


「それはどういう……」

「前に言ったでしょ。カースト上位の女子に気に入られなくて、いじめられたって」


 頷く。


「単純な話だよ。その後いじめを受け続けているうちに、私の精神が持たなくなったの。だからついにいじめっ子を殴っちゃったの。その後いじめっ子たちが先生に殴られたって言って実質的な停学処分をくらって逃げるように学校を変えたんだ」

「……」

「まあリスカはその後に加熱しちゃったかな。その後、ある人に相談に乗ってもらって、無事に収まったんだけどね」


 僕とはまた違う経緯だ。

 その言葉に僕はどう返したらいいのだろう。


 彼女の話が本当ならば、ただ虐められるよりもはるかに辛い痛みを抱えているという事になる。


「で、この学校に転校したのは良いけれど、そこでもうわさが広がっちゃってね。御堂鈴美は人を殴って退学に処されたって」


 せっかく高偏差値の高校に言ったのにねーと言いながら鈴美さんは伸びをする。


 なんてひどい伝わり方だろう。

 僕の場合だったら、付き合ってる際に彼女に嫌われ、逃げるように転校だろうか。

 どちらにしても酷いことだ。


「僕があなたにかけられる言葉はないかもしれません。でも、」

「いいよ、私は慰められるために行ったんじゃないから」


 人の話は最後まで聞いてほしい。

 これから、結論をいおうと思ってたのに。


「ただ、私ミステリアスなキャラで行きたかったのに、どうしてこうなっちゃったかな」

「初めの時は、だいぶミステリアスなキャラでしたよ」


 ミステリアスというか、ただのやばいやつだったが、そこは置いておこう。


「そう、嬉しい」


 この話で、謎が解けたような解けてないような不思議な感じだ。

 だけど、僕はもう信じぬくしかないのだ。

 僕にはそれ以外の道は残されていない。



「それで本題に戻るね。友達の事だけど、もしかして私がいない方が事が進みやすい?」

「……そんなことありませんよ」


 実際、最初のころはかなり転校生というバフと鈴美に絡まれていた憐みから話しかけやすい状況だっただろう。

 しかし、その時でさえ僕は話しかけるチャンスを失っていた。

 その理由はシンプルに、人恐怖症にすらなっていたのだが。


『僕が貴方の誤解を解いて見せます』


 本音ではそう言いたいが、しかし僕にはそんな勇気はない。


 だからこそ、


「ここは協力関係で行きませんか?」


 僕はそう告げた。

 協力関係。そうつまり、僕たち二人で互いに友達を作る手伝いをし合おうという事だ。


「なんで?」


 まさかここでなんでって訊かれるとは思っていなかった。

 僕はすっと息を吸う。


「僕たちにはもう一人仲間がいるべきなんです。僕も鈴美さんもこの状況のままでいいはずがないですから」

「それは良いけど……陽太君って今女子と喋れるの?」

「っあまり」


 今日、山下さんに話しかけられた時も正直結構しんどかった。


「知ってる」


 そう言ってにっこりと笑った。


「でも、いいかもね。私以外の人にも慣れるチャレンジだよ!!」


 そして、鈴美さんは僕の手を掴む。

 僕はそれに少し体が震えたものの、「うん」と答えた。


 そもそも、友達を作るという事自体、僕にとっては勇気のいる行動だ。

 だからそれにさらに一歩進んだ状況。


 僕にとっては決してへでもないのだ。

 それに、


「もし僕が倒れそうになったらその時は助けてくださいね」

「分かってるよ」


 そして僕たちの協定は結ばれた。



「じゃあ、早速狙っていきたい人を選定していきたいんだけど、この子とかどうかな?」

「それは……?」


 僕は勢いそれを覗く。

 その写真にいた人は、まさに山下さんだ。


「無理、無理ですって」


 僕は叫ぶ。


 無理に決まっている。

 既に苦手意識が芽生えてしまっている。

 それに、これに関しては言っていいのかは分からない。が、


「この前、悪口みたいなこと言ってましたよ」


 実際、悪口的なことを言っていた。

 まあ、それは警戒した方がいい、と言ったものだけど。


「そんなのはいいよ。誰も本当の私を知らないわけだしね」


 そして、イスから立ち上がり、僕の方に来た。


「だってさ、思うでしょ。他人評価が低い方が落とし甲斐があるし」

「それ、趣旨代わってないですか?」


 実際、僕の友達作りのためだったはずなのに、なんか鈴美さんのためみたいになってるし。


「じゃあ、早速明日から行くよ」

「え、早速」

「うん、だって、これからもさ陽太君の女性嫌いを直していかないと」

「……はあ」

「という訳で今日は、この食事を味わって元気でもつけて、ね」


 たしかに僕の前には料理がほぼ手つかずの状態で置いてあった。

 これを食べたら夜ご飯はきっと食べられないだろうな、と思いつつ僕はたべはじめた。



 家に帰ると、姉ちゃんが「おかえり」と言って出迎えてくれる。


「姉ちゃん、ごめん。今日ご飯いらない」


 僕は開口一番に出迎えてくれた姉ちゃんにそう告げた。

 それをうけ、姉ちゃんは不思議そうな顔をしてくる。


「外で食べてきたのね」

「まだ僕は何も」

「姉だから分かるのよ。そう、良かった」

「え?」


 何が良かったのだろうか。

 姉ちゃんから見た僕は、家にご飯があるのにもかかわらず連絡なしで外で食べてきたろくでなしだ。

 なのになぜ、そう、良かった。なんて言うのだろうか。


「ふふ、何でもない」

「何だよ」


 その言葉に姉ちゃんは何も答えない。

 本当によく分からないな。

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