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壮大な嘘告白をされ人間不信になった僕、後ろの席の女の子が付きまとってくるようになる  作者: 有原優


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第80話 地下

「あははははは」芹原さんは唐突に笑い出した。

 ってことはやっぱり。


「そんなわけないじゃん。益々何言ってんの?」


 その言葉に、わたしは少し恐怖を覚えてしまった。


 そう言えば忘れていた。私の陽太君ほどじゃないけれど、陽キャいじめっ子に恐怖抱いていると。

 足が震えだす。早く帰りたいと思ってしまう。

 だけど、だめだ。陽太君を連れて帰るためにここは、怯めない。


「本当に陽太君を監禁してないなら、中に入れてもらぅていいですか?」


 わたしはそう、訊いた。

 強気に行かないと。


「陽太君がいないことが確認出来たら、私すぐに帰りますから」


 そう、わたしは言った。そしてこのタイミングで、電話をかけた。

 相手はお父さん。


 会話を保存するため。



「いいよ。あたしの陽君がいないことを証明してあげる」


 そう言われ、中に通された。

 その中、家の中。そこは静かな空間だtぅた。そう言えばわたしはこの家に一度も入ったことがない気がする。

 ここが、陽太君の地獄の家。


 中を探るも、陽太君の姿がない。だけど、そんな中で気になることがある。

 陽太君の妹って言っていたあの人……


 確か、紅葉ちゃん。

 彼女がいないのだ。

 彼女が陽太君を連れ去った可能性がある。

 置くまで探していく。

 だけど、いない。

 だけど、


 わたしは、怪しげな蓋を見つけた。地下室でも隠していそうな、そんな蓋だ。


「これは」


 そう呟き、わたしは蓋を開く。そこには階段があった。私は階段の中に入り、一歩筒下へと下がっていく。

 ドキドキしながら。でもまた、新たな場所に行ける気がして。


 そこには陽太君がいた。

 目隠しをされ、さるぐつわも常備されて動けない状態にある。


 これさえ確認できればいい。私はすぐに携帯を取り出そうとした。

 その時、電話が切れた。

 開戦が途切れた?


 そう思った瞬間、蓋が閉じられた。

 しまった。いつでも逃げられるように、蓋の近くで待機していたのに、電話の回線が切られたことに夢中で、気づかなかった。

 最悪だ。


 こうなったら陽太君を救う方法なんて。


 暗い。陽太君と違って拘束されてないけれど、でも実質身動きが取れない。


 でも、電話が途切れたら怪しいと思うはずだ。

 お父さんが連絡してくれる。



 わたしは陽太君の目隠しを外す。さつぐつわも。

 ただ、後ろ手の拘束は外すことが出来なかった。


 ★


「陽君大丈夫?」


 そう、声が聴こえた。

 僕はこの声を知っている。

 さっき、急に運ばれてどこに連れていかれるんだろう、なんて思っていたら、まさか鈴美がいるなんて。


「なんでここにいるの」


 僕はそう訊く。


「陽太君を助けに」

「っそのために鈴美も捕まったんじゃ意味ないじゃん」


 鈴美に迷惑をかけないように、ここに一人でやってきたというのに。


「大丈夫。今度こそ大丈夫だから」

「何が!?」


 僕は叫ぶ。


「私にも背負わせてほしかったよ。陽太君と一緒に戦いたかったよ。一人で行くなんて本当に酷いよ」

「っごめん」

「でも、無事でよかった」


 鈴美が上を向く。


「これ、どうしよう」


 その地下室の蓋は完璧に占められており、たぶん押し明けても、びくともしないだろう。


「これ、食料とか来るのかな。それとも私たちを餓死させる気なのかな」

「流石に、僕は死なさないと思うけど」


 芹原は僕の事が欲しいはずだから。


「でも」

「うん」


 鈴美は僕が言いたいことをすぐに理解したのか、頷いた。

 このままだと、鈴美を人質に僕に命令を下す可能性もある。


 しかも、今僕の手足は高速状態になっている。

 まともに動かす事さえもできない。苦しい状況だ。


 そこにさらなる要求まで持ってこられたら、もう僕は。

 ううん、もう考えるのをやめよう。

 考えても仕方のない事だ。


「鈴美」


 僕は問いかける。


「僕たちが助かる手段は本当にあるのかな」


「ねえ、陽太君。その前に一つだけ確認しておきたいんだけど」

「なに?」

「多分向こうは詰んでる」

「え?」


 あいつらが詰んでるって?

 助かる方法なんて存在しないとばかり思っていたけれど。


「だってそうじゃん。わたしが誘拐されている今、お父さんが警察に連絡したら」

「確かに」


 一さんが手を打ったらこちらの勝ちだ。


「誘拐犯とか、そんな感じで」

「そうそう」


 もしかしたら鈴美はこれが狙いでここまで来たのかもしれない。

 でも、僕だけだったら事件性になりえたのかも怪しい部分だけど、鈴美までいなくなったら、その時こそだ。

 姉ちゃんには悪いけれど、流石に子どもの時にやったことで、しかも相手側は死んではいない。

 そこまで罪になるとは思えない。


「そうと決まれば」

「そうと決まれば?」

「待てばいいだけ」



 そう、鈴美が笑顔で言った。

 だけど、本当に後は待つだけ?

 僕の脳には疑問が残っている。


 その時天井のふたが開けられた。

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