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壮大な嘘告白をされ人間不信になった僕、後ろの席の女の子が付きまとってくるようになる  作者: 有原優


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第8話 友達大作戦

「ねえねえ、今日はどこに行く?」


 無邪気に御堂さん改め鈴美さんが訊いてくる。

 遊園地の後、軽くメールのやり取りをしたりして、段々と距離は縮めてきていた。

 しかし、だ。


 距離が近い。

 たしかに僕は遊園地で段々と彼女の事を受け入れ始めていた。

 しかし、まさかここまで距離を詰められるとは。


 僕は、顔を背ける。

 まだ、この人に対してどう反応すればいいのか、答えが見つかっていないのだ。


「なによ」

「あまりぐいぐい来られても……」


 困るのだ。


「ええーー」


 そう言ってため息をつく。


「まだトラウマを解消できてないんだね」

「あまり大声で言わないでください」


 トラウマ、という単語をあまり聞かれたくない。

 僕は、安心安全な学校生活を過ごしたいのだ。


 まあ、もう無理かもしれないけど。


 遊園地での出来事で僕はそれなりには、鈴美さんと仲良くなってきた。

 しかし、彼女に関しては分からないことも多々ある。

 例えば、なぜ彼女がこの学校で嫌われているのか。


 普通に考えて、いじめから逃げるために転校した、というのであれば、それは、転校先の学校ではいじめにあわないように立ち振る舞うのが普通だ。

 なぜ、こんなことになっているのだろうか。

 それが分からない。


 こんな状況では、僕も新たな友達が出来る。

 なんていう幻想は捨てたほうがいい、と思う。


 


 昼休み。


 僕はトイレに行った。

 理由なんて特にはない。

 ただ、尿意を感じたから、それ以外の理由なんてない。


「あ」


 そこにクラスメイトの姿があった。

 山下涼香。確かクラスの中でそれなりに人気のある人だ。


 陰キャか陽キャか、と言えば、ギリ陽キャみたいな人だろう。

 ちなみに少し苦手ではある。


「なんで、御堂さんとつるんでるの?」


 そして口を開いた。


 あれから少し怖いと思うものの、女性に話しかけられてもあまり畏怖の気持ちを抱く事はない。


「つるんではないよ」

「そ、ならよかったわ。あの子には警戒しないとね」


 まただ、警告の言葉。


「な、何でですか?」


 僕はおずおずと訊く。


「彼女やらかしてるのよ」


 やらかしてる。やらかしてるとはどういう事なのだろうか。


 だが、その答えを言うことなく、彼女はその場から去ってしまった。

 推理漫画の意味深キャラでもあるまいし……

 教えてくれてもいいと思うけど、僕はそれ以上訊くことが出来なかった。

 また、にらまれて怖い目に逢いたくないし。


 というか、そもそも僕はそんな疑惑のある人と一緒にいてるんだな、と思うと少し怖くなる。

 悪い人ではないと思う。が、僕の、怖い人レーダーは信用が出来ない。

 何しろ、一度外してるんだし。


「あ、帰ってきた」


 そう、鈴美が僕の方に手を振る。


 僕は訊くべきなのだろうか。

 彼女の秘密を。


「どうしたの? そんな怖い顔して」


 いや、訊かない方がいい気がする。

 今の子の関係を維持するために。


「実はさ、友達を作りたいと思って」


 だからこそ、だ。

 僕はもう一つの悩みを言う。


 友達を作るというのは実のところ強い技だ。

 孤立してない人を虐めるというのはリスクがある。

 そう、その友達経由に虐めが発覚する恐れだ。


 だから、本気の馬鹿以外はいじめをしないと思われる。

 じっさい、芹原との一件、僕にはもともと友達なんていなかった。


 だからこそ、僕はターゲットになってしまったんだと、今は思っている。


 今は、鈴美さんの謎の噂? のせいで僕まで浮いてしまっている。

 その張本人に協力してもらえないかという事だ。


 それにその過程で彼女の秘密がわかるかもしれない。



「私だけだったらダメなの?」


 うわぁメンヘラ?ヤンデレ?みたいなことを言っている。


 僕が顔をしがめていると、


「嘘嘘、冗談」


 そう言って彼女は笑った。


「じゃあ、これから陽太君の友達作り作戦だね」

「う、うん」


 だめだ、僕から話を持ち掛けたとはいえ、嫌な感じになる未来が見えてしまう。


「どうしたの」

「僕は、友達を作りたいけど、でもリスクのある友達作りは嫌なんだ」


 なんて我儘なのだろうと、自分でも思う。

 だけど、僕は。


「ふーん、そっか」


 そう、含みのある笑い方をして。


「なら男子だね。私が仲介してあげるよ」


 仲介なんてできるのか?


 特級呪物って言われていたんだろ?


「なによ、そんな顔をして。私が紹介してあげるって言ってるじゃん」

「お、おう」


 僕は、そう返す。


 僕は、彼女の事を知っているようで良くは知らない。


 その時だった。

 チャイムが鳴った。


「じゃあ、家で会議をしよっか」

「せめてファミレスで」


 なんで家という考えが出るのだろうか。

 もし僕が性の権化だったら受け入れるだろうが、現実は、僕は死ぬことになるだろう。


 僕はまだ女子が得意になった訳ではないのだから。


「はいはーい」




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