表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
壮大な嘘告白をされ人間不信になった僕、後ろの席の女の子が付きまとってくるようになる  作者: 有原優


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

79/81

第79話 救出作戦

 そのまま監禁生活が続く。

 まだ一日すら経っていないことは確かだけど、

 それでも、もう耐えがたい。苦しい物になっている。

 芹原ともう一緒に居たくない。そう願っても僕は拘束監禁されている。

 逃れることなど、願っても出来ない事なのだ。

 苦しい。

 僕はどうしたらいい。


 僕にはもはやあれからどれくらい経ったのかさえ分からない。



 今、彼女は。何をしているのだろうか。

 鈴美が僕の事を忘れて笑ってくれているといいななんて思う。

 だけど、そんな事願っても無駄だ。

 鈴美はきっと僕の事を心配してくれているのだろう。


 そんな彼女を、ただ憐れむ。


 鈴美、本当にごめん。こんなことになって。


 ★


 私は到着後、早速美咲さんの家に行った。

 いや、家と言っても違う。家に行っても誰もいなかったので、わたしは彼女が務めている店に言った。


 私はそこでジュースを頼む。


「いったいどうしたの?」


 そう、美咲さんは訊く。

 その言葉にわたしは、「陽太君の件でお話が」と言った。

 どうやら美咲さんは、メールをまだ見ていなかったらしい。

 そんな彼女に対して、私は非常な言葉を告げなければならない。


「美咲さん、陽太君がたぶん」

「店の外で話すわ」


 そう、美咲さンが言う。


 そして店の外に出て、私は書き置きの件を離した。

 すると美咲さんの表情が暗い物になっていく。


「私のせいだ」


 美咲さんはそう呟いた。


「私が……」


 美咲さんの弱みを握られている件については、陽太君に既に聞いた。そのせいで、手出しができない状況だという事も


「もし美咲さんが動けないなら、わたしが単独で動きます」


 わたしがそう言っても、美咲さんの表情は暗いままだ。

 わたしは鈴美さんの事が好きだ。鈴美さんがいなければ後ろ盾のなかったわたしはどこかで野垂れ死んでいたかもしれない。メンタルが破れて、自殺もしくはそれに準することをしていたかもしれない。

 だけど、今は別だ。言うなれば、陽太君が苦しんでいるのは美咲さんのせいでもある。

 本来だったら背負わなくてもいい苦しみを抱えている。背負わなくてもいいはずの苦難も抱えている。


 私は陽太君の彼女として、陽太君を助けたい。


「でももし気が変わったら、その時はよろしくお願いします」


 そう、私は告げた。


 私はその足で、陽太君のいるだろう場所、芹原の家に向かう。一応ああはいったのだ。

 もし何かあって私が戻ってこなかったら。警察にでも通報してくれるだろう。むしろそれを願っている。


 私は陽太君の家。芹原がいるであろう場所のインターフォンの前に行く。

 ここが重要だ。

 ここでの受け答えをミスったら、わたしは戻れないかもしれない。


 わたしは唾をのんだ。

 そして――


 覚悟を決めてインターフォンを押した。



「はーい」


 芹原さんが出てきた。調子がよさそうだった。


「そこに陽太君が来てないでしょうか」


 わたしは単刀直入に言った。


「陽君?」


 芹原さんは不思議そうな顔を見せ、


「来てないよ」と言った。だけど、その言葉でわたしは確信した。そう、陽太君がここにいる事を。


「理由なんてそんなものはない。ただの神田。

 ただの勘だけど、間違っているとは思えなかった。



「でも、陽太君が書き置きを残しまして」


 そう言ってわたしは陽太君の置いて行った紙を見せる。


「ほら」


 そう言ってわたしが写真を見せると、


「ほんとだ」と言った。


「でもでも、陽君にはあたしが会いたいの。今まだ来てないってこと?」


 ワザとっぽく言う彼女に対し、わたしは。


「さあ、でも私よりも四時間は早くについているはずですよ」と言った。


 実際陽太君は早めに来ているはずだ。私よりも四時間早くに来たのに、ここにまだ来ていないはずがない。


「おかしいね、それ」


 そう言って笑う。

 もう、この人はばれてもいいなんて思っているのかもしれない。だって明らかに隠す気がないんだもん。警察なんて呼ばれたらどうするんだろうなんて思うけれど、警察も証拠もないのに動いてくれるほど暇ではない。


 証拠、証拠をつかまなくては。


 これはあくまでも私の予想だけど、陽太君はこの家に監禁状態にある。

 考えただけで、背筋がぞっとする。陽太君はきっと今地獄を味わっているのだから。

 陽太君を助けたい。

 そう、わたしは思いながら話す。


 間に合って欲しい。

 陽太君が苦しむ姿なんて見たくないのだから。


 もう、いいや。もうまどろっこしい真似はやめにしよう。


「芹原さん」

「何ですか?」

「陽太君ここにいますよね」


 わたしはそう、はっきりと訊いた。その瞬間、彼女の顔が一瞬強張ったのを見逃さなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ