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壮大な嘘告白をされ人間不信になった僕、後ろの席の女の子が付きまとってくるようになる  作者: 有原優


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第78話 監禁

「芹原」


 僕は叫ぶ。


「陽君、素直にあたしと一緒にいようよ。何も考えなくてもいいようにしてあげるから」

「そんな誘いには、乗らない」

「乗らないなんて、言わないで。あたしにはもう陽君しかいないんだよ」


 僕の計画は失敗した。

 というよりも元々紅葉ちゃんのあの発言自体が罠だったんだ。

 もし、ばれたとしても、警察に訴えられたとしても、その場合僕が嘘告発で、もし逮捕こそされなくても、お叱りを受け、要注意人物扱いになるだろう。


 とりあえず僕が、初手警察に訴え無くて助かったが、もうあの人たちを貶める手は打てなくなってしまった。


「くそっ」


 僕は地面をたたく。

 僕は万事上手く行くことなどないと思っていた。

 だけど、なにかきっかけがあるべきだと思った。


「陽君」


 僕は抱きしめられる。


「一緒に過ごそうよ。二人で寝ようよ。二人で、幸せで何も考えなくてもいい、そんな家庭にしようよ」


 嫌だいやだ。なんで、こんな。

 こんなことなら、臆病なままで良かった。


 こんなことなら、


「陽君さ、鎖って知ってる?」

「くさり」

「うん、鎖。鎖で陽君を縛るの。そしたらさ、もう陽君に怖い思いさせないで済むもん」


 僕は、芹原、君が怖いよ。


 どうしてそうなるんだ。


 それこそ、香奈さんが言ってたようにメンヘラとかヤンデレじゃないか。


 僕にはヤンデレとメンヘラの違いはよく分かっていないが、恐らくこいつはその両方の性質を併せ持つのだろう。


 僕は経てずにいた。

 だけど、芹原はその手に手錠を持っていた。

 恐らくは、僕を縛るため。

 嫌だ!! そう思っても僕に抵抗する手段などない。

 紅葉ちゃん一人にはかろうじて勝てたけれど、二人相手で勝てる未来などない。


 僕は手錠で縛られた。



「陽君、大丈夫だよこれからは、あたしが守るから」

 元気よく言う芹原。


 だけどそれが僕に苦しみを与えていることになぜ気が付かないのだろうか。

 否。気が付いているけれど、僕を自分の物にしたいが故にしているのか。


 僕は囚人のように、このまま好きにされるのだろうか。


 ★



 私は陽太君を助けるために電車に乗った。

 そこまでは良かったのに。


『ただいま人身事故の影響で電車が止まっています――』


 そんなアナウンスが流れていた。


 私は早く陽太君を助けないといけないのに。

 私は携帯をギュッと握りしめる。

 電車はまだ動かない。

 このまま箱詰め状態で射させられている。


 電車が動くまでに、あとどれくらいかかるんだろう。

 その間に陽太君がひどい目に逢っていたらと思うと、

 私は自分を位恨み続ける事しかできなくなるんだろう。


 あと二時間?

 振り替え輸送みたいな感じですぐに動けるかもしれない。

 だけど、


 心配は尽きない。

 これも、芹原さんが仕組んだ罠なのかな。

 いや、流石にそれは考えすぎだと思う。


 私はとりあえずその場で、電車が動いた後、陽太君を助ける際のイメージトレーニングをすることにした。


 ★



 僕はすぐに家に帰された後、本格的な手枷で拘束された。

 もう本気なのだろうか。


 あの日を思い出す。


 僕を襲うのだろうか。


 目隠しまでされている。

 本格的なSMプレイなのだろうか。


 僕には何も見えない。

 芹原にはこういう趣味でもあるのだろうか。変態趣味だ。


 そんな中、僕は抱かれている。

 特別な意味とか暗喩とかではなく、抱き着かれている。

 確かに僕に逃げられないようにするにはこれが一番だろう。



 監禁。これが一番だ。

 僕の子の後ろ手の枷は寝ている時でさえ外せないかもしれない。

 僕はなぜ、こんなりすくまで負ってしまったのだろう。


 鈴美と生活していたら良かったのに。

 そんな時だ。


 僕のお腹の音が鳴った。


 ぼくはずっと、朝から何も食べていない。

 そりゃお腹がすくわけだけど。


「ご飯が素板なら差、食べないとね。あたしがご飯作ってあげるから待っててね」


 そう言われた。


 とりあえず気持ちの悪いハグから逃れられたので、僕はベッドに寝転がる。

 手足が自由で、首の枷が無かったらもっと楽に眠れるはずなのに。


 苦しい体勢だ。


 だけど、僕は何となく諦めの境地に至っている。

 もう願っても無駄だと、思ってしまっている。



 だけど、諦めるのはまだ早い。

 どうにかして警察をここに呼べれば、今度こそ。



 その後、ご飯を食べさせられる。

 カレーさ老化、を口に突っ込まれた。

 まあまあ、美味しいけれど、僕の中のプライドが傷つけられる。そりゃそうでしょ僕のプライドが許されるわけがない。

 人の助けがなければ、食事もできない。その助けが芹原なんて。


 その後、僕は芹原と共に、ベッドを共にした。

 二人での睡眠だ。

 芹原は寝ているのかどうかすらも分からないが、常に芹原の感触がある。

 鈴美と寝たほうが楽しい。

 隣に芹原がいるというだけで、いやな気持ちになる。


 ああ、いやだ。嫌なんだ。


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