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壮大な嘘告白をされ人間不信になった僕、後ろの席の女の子が付きまとってくるようになる  作者: 有原優


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第77話 帰還

 僕は朝早くに目を覚ました。目覚ましもなく自動的に。

 デジタル時計を見るとまだあさ6時半だった。

 僕はもうここにはいられない。


 和歌山に住んでいることがばれればそこからいくらでも探されるリスクがある。

 それに、いつまでも逃げ続けるわけにはいかない。


 そうだ、僕はあいつらに勝てる手段は残されている。ここは法治国家なのだ。

 なのに、なぜ僕はおびえていたんだ。


 怖いし、まだ寝ておきたい。鈴美と一緒にいたい。だけど、それは無理だ。


 芹原の問題を解決しない事には無理なのだ。


 相原の言葉に、腹立たしい気持ちでいっぱいだけど、気づかされた部分もある。


 僕は、眠る鈴美のほっぺにキスをした。

 不同意だけど、許してほしい。

 僕が戻ったらいくらでも起こってくれていいから。


 荷物はそこまで多くはない。

 軽く荷物を整理して僕は立ち上がり家を出た。


 誰にも気づかれていない。

 僕は、バスに乗り、電車に乗り、住み慣れた街を目指す。



 帰りたい。そう、何度も思った。電車が地獄へと向かっているような気がするのだ。

 だけど、僕は気づいている。この状況を打破する事の出来る、切り札的存在に。


 父さんの持たれた弱みも、世界的に見れば大したことではない。

 父さんというよりも、正確には姉ちゃんのか。

 姉ちゃんには申し訳のない事になるかもしれない。だけど、人を殺したわけでもないし、前の事だ。そして、母さんの方が酷い事をしている。

 うん、何もこれからする行為が悪い方向に動くなんてありえない。


 僕はそう思い、静かに目を閉じた。



 そして目が覚めたらいつもの町に戻っていた。

 性格にはここからまた電車を乗り継ぐのだが、もう既に僕の見知った街に近づいているようだ。


 なんとなく戻ってきた。いや、戻ってきてしまったという感じが強い。

 はあ、こんなことを思ってはいけないと思っている。


 これから、対決に向かうのだ。


 本音を言えば、僕は帰りたくない。

 鈴美の元に帰りたい。さもなくても、姉ちゃんやお父さんの家に戻りたい。だけど、退路は自分で消してしまった。もう公開しても意味はない。


 僕は門戸を叩く。



「もしかして陽くん!?」


 いきなり抱き着かれた。

 早速後悔する。


「あたし、心配したんだよ。良かった無事に戻ってきて」

「うん」



 そして僕は家の中に入る。


「僕のスマホ、貸してくれない?」

「いいよ、はいっ!!」


 そして、僕は久しぶりのスマホを手にする。

 手になじむ。久しぶりなのに、触り心地がいい。

 そう言えば最近ログインしてなかったゲームとかもあった。


 後でカムバックログインボーナスを貰わなきゃ。

 いや、まだ数日しか経ってないからもらえないのかな?


 いや、そんな事はどうでもいい。


「陽君はまたここに住んでくれるんだよね」

「いや」


 僕は首を振る。


「なに?」

「僕は戻ってきたわけじゃない。戦いに来たんだ」

「それってどういう事?」

「僕は自分の因縁に決着を付けに来たんだ」


 僕がそう言うと、場に緊張感のある空気が流れていく。


 僕だって何も考えずにここに舞い戻った訳じゃない。もしこれで僕が何も考えていなかったとしたら、ただの馬鹿だ。

 でも僕は馬鹿ではない。


「僕は、芹原。君の事を侮蔑する」

「っそんなこと言わないでよ」


 泣きそうな表情を見せて来る。

 其れもまた腹が立つ。


「僕は決めたんだ。だから、ばいばい」


 僕はそう言って去っていく。その後を芹原は追いかけて来る。

 だけど、隠れるのは容易だ。

 僕は、コンビニエンスストアの中に隠れた。


「ふう」


 僕は息を吐く。

 ここからが大変だ。


 僕は芹原を巻いた後、僕は山を登っていく。

 あれさえ暴けば、僕たちは勝てるはずだ。


 リスクがありすぎて、決行はしていなかった。

 だけど、行くしかないのだ。


 前も結構登るのはしんどかった。そしてそれは今もらしい。


 だけど、今は登っていくしかない。そうじゃないとここに来た意味がない。

 少なくとも、僕がクズ崩しているとだめになる可能性だってある。


 だから僕はひたすら走り登っていく。


 そして――


 頂上に着いた。


「残念だったね」


 しかし、そこにいたのは。

 紅葉ちゃんだ。


「ボクがここは通さない」


 その言葉を聞き、僕は唾をのむ。


「なんでここにいるの」

「お兄ちゃんこそ」

「僕は、ここの秘密を暴きに」

「知ってる? ここ立ち入り禁止なんだ」

「知ってる」

「強くなったねえ、お兄ちゃん」


 そして、紅葉ちゃんは僕の方に向かっていく。


 そして僕に抱き着いてきた。


「は?」


 あっけにとられ、そのまま押し倒される。


「ボクはお兄ちゃんを止めたいだけだからさ、恵奈ちゃんが来るまで待ってよう」

「そんな事、出来ない」

「お兄ちゃんはここでくたばるの!!」


 紅葉ちゃん。案外力が強い。

 くそっ、逃れなきゃならないのに、上手く力が入らない。


 だめだ、こんなのでは。


「お兄ちゃん、だめだよ。今はボクと一緒に恵奈ちゃんを纏うよ」


 僕は無力なのか。


 いや、そんな事はない。



 ――確か聞いたことがある。人は、自分の力の全てを出せているわけではないと。

 常に無意識化で、力をキープしていると。


 それが本当なら、自分でその枷を外すことが出来れば!!


「うおおおお!!」


 僕は頑張って力を入れる。

 そして、勢い吹き飛ばした。


「はあはあ、僕の勝ちだ」



 辛勝と言ったら分かりやすいか。

 でも、それでもあれさえ何とか出来れば。


 死体を掘り起こし、それを持って警察に持ち込む。

 そしたら、僕の勝ちだ。


 あれ?


 掘り起こしても、死体が出てこない。

 おかしい、なんで?


「流石に、警戒はしてるに決まってるよ」

「まさか別の所に?」

「あたしたちのいえに帰ろう?」


 そこに、芹原がいた。






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